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ハリウッド映画の映像って、なんというか深みやコクみたいなものがありますよね。この記事では、Photoshopを使って写真を簡単に映画風にレタッチ(加工)する方法をご紹介します。フォトショ初心者の方もできる簡単な方法なので是非お試しください。
完成イメージ
このように写真にコクと深みを出してみましょう。
使用する写真
まず映画風にレタッチする写真を選びましょう。この記事では、このイケメンをさらにダンディーにしてみたいと思います。風景写真などでも同じ手順で映画風に変えることができます。ただし、顔が大きく写ったような写真の方が、より本格的な映画っぽく見えるかと思います。
手順1. 映画風にする写真を開く
まず、加工する画像を開きましょう。人の顔が写っている写真だと、より映画感を出しやすくなります。Photoshopをはじめたばかりで画像の開き方、フォトショの基本的な画面の見方がよく分からないという方は、こちらの記事を参考にしてみると良いでしょう。
手順2.ハイパス・フィルターで写真に立体感と深みを加える
はじめに写真の人や物にさらに立体感と深みを加える加工をしていきましょう。
2-1.レイヤーパネルを開く
まず、レイヤーパネルを画面右側に開きましょう。レイヤーパネルが見当たらなければ、画面1番上のメニューバーで[ウィンドウ]⇒[レイヤー]をクリックしましょう。これでレイヤーパネルが現れるはずです。
2-2.加工する画像レイヤーを複製する
まず加工する画像レイヤーを複製します。複製する方法は、レイヤーを右クリックして[レイヤーを複製]をクリックするだけです。これにより画像レイヤーが複製されました。
2-3.複製レイヤーに「ハイパス」フィルターをかける
次にこの複製したレイヤーに「ハイパス」というフィルター効果をかけます。メニューバーの[フィルター]⇒[その他]⇒[ハイパス]をクリックしましょう。もしフィルターをかけるときにエラーが出てしまったら「フィルターでエラーが出てしまったときの対処法」が参考になるかもしれません。
ハイパスをクリックすると、設定ウィンドウが表示されます。ハイパスの半径のつまみを「写真の色味が一部見える程度」の位置に動かしましょう。つまりは、この例の画像くらい輪郭が見える程度です。つまみを動かしたらOKをクリックしましょう。※プレビューにはチェックをつけておきましょう。実際にどのくらい加工されるのかを画像ウィンドウで見ることができます。
2-4.ハイパスのレイヤーをオーバーレイに
次にレイヤーパネルで、ハイパスをかけた複製レイヤーを選択し、画像のオレンジ枠の部分を[通常]から[オーバーレイ]に変えましょう。これで、写真が少し映画風になったかと思います。
手順3.トーンカーブで写真にメリハリをつける
次にトーンカーブを調整して、写真に濃淡をはっきりさせていきたいと思います。上の写真の変化では、あまり差が無いように見えるかもしれませんが、画像加工は小さな積み重ねが重要になります。
3-1.写真にトーンカーブをかける
Photoshopでは色んなところからトーンカーブなどの色調補正がかけられるのですが、今回はパネルメニューから行ってみます。パネル下部の[調整レイヤーを新規作成]をクリックすると色調補正のメニューがずらっと表示されますので、[トーンカーブ]をクリックしましょう。
3-2.トーンカーブを調整する
トーンカーブをクリックすると、レイヤーパネルのどこかにトーンカーブを調整するために[属性]パネルが表示されるはずです。このグラフのような表示の線を動かすことで、写真の明るさやコントラストを微調整することができます。
こちらの例のように、左から1/3くらいのところをドラッグして下げ、右から1/3くらいのところをドラッグして上げましょう。こうすることで、濃淡がはっきりとして、よりメリハリのある写真になります。
※ 色調補正を後から調整したくなったら、後ほど説明するこちらの方法を取ればOKです。
手順4.写真の彩度を下げてシブい雰囲気を出す
彩度を低くすることでよりシブくて映画のような雰囲気を出すことができます。
4-1.写真の彩度を下げる
さきほどと同様にパネル下部の[調整レイヤーを新規作成]をクリックします。そして今度は[色相・彩度]をクリックしましょう。
すると、このような色相や彩度を調整する属性パネルが表示されると思います。この中の彩度のつまみを左に動かしましょう。今回の例ではかなり動かしましたが(彩度-38)、自分がしっくり来る程度に動かせば良いでしょう。これにより写真に落ち着き・シブさのようなものが出ると思います。
手順5. レベル補正で写真を少し不気味な色みに
写真の色みのうち赤を少し弱めると、より映画らしい不気味な雰囲気にを出すことができます。
さきほどと同様にパネル下部の[調整レイヤーを新規作成]⇒[レベル補正]をクリックしましょう。
すると属性パネルにレベル補正の調整画面が表示されます。まず①[RGB]と表示されている部分をクリックして[レッド]に変えましょう。これにより写真の赤系の色みの強弱を調整できるようになります。次に②真ん中のつまみを少し右に動かしましょう。
どのくらいつまみを動かすかは写真によって変わってきますので、写真を見ながら「ちょうどこのくらい不気味な感じがいいな」というポイントを見つけましょう。これにより写真がやや緑がかって、怪しげな雰囲気が出るかと思います。
手順6.シャドウとハイライトを調整してファンタジー感を出す
こちらが最後の手順です。写真のシャドウとハイライトをうまく調整すると、より現実離れしたような映画らしいファンタジー感を出すことができます。
ちなみに…
- シャドウ:写真の暗い部分(影)だけを明るく調整できる
- ハイライト:写真の明るい部分だけを暗く調整できる
シャドウとハイライトは元の画像に直接かけていきます。そのため、レイヤーパネルで1番下にある元の写真のレイヤーをクリックして選択しましょう。
次に、メニューバーの[イメージ]⇒[色調補正]⇒[シャドウ・ハイライト]をクリックします。
するとシャドウとハイライトの設定ウィンドウが表示されますので、それぞれのつまみをこの画像のオレンジ色の◯の位置あたりに動かしましょう。とはいえ、写真によってベストなつまみの位置は変わるので、何回か動かしてみて最もしっくりくるポイントを探しましょう。
7.完成! 後から「色調補正」を調整する方法は?
手順1〜6を終えたらこれで完成です。写真にずいぶんと映画らしさが出たかと思います。
7-1.色調補正を再調整する方法
完成後に「やっぱりここの部分の色調補正を変えたい!」ということもあるかと思います。
この画像のオレンジ枠に囲まれた3つの色調補正(トーンカーブ・彩度・レベル補正)は、それぞれレイヤーのように表示されていますよね。これらの色調補正をするレイヤーは調整レイヤーと呼ばれます。調整レイヤーは画像の色調を直接変えるのではなく、画像の上に重ねることで間接的に色調を変えるレイヤーなのです。
調整レイヤーによる色調補正は、後からでも簡単に再調整することができます。
たとえば「トーンカーブを少し変えたいな」というときには、トーンカーブの調整レイヤーの半月のようなアイコンをクリックしましょう。すると属性パネルにトーンカーブの調整画面が再度開きます。このように後からでも簡単に微調整ができるのですね。
7-2.ハイパスのレイヤーと、シャドウ・ハイライトは…
手順2で作ったハイパスの灰色のレイヤーは、画像なので「もう少しハイパスの輪郭を濃くしよう…」と簡単に調整することができません。ちょっと面倒ですが、変えたいときは新しく作り直しましょう。
シャドウ・ハイライトについては、直接画像をいじってしまっているので、後からの調整が少し面倒です。再度、メニューからシャドウ・ハイライトを選び、重ねて調整を行っても良いのですが、何回もやると画像が劣化してしまいます。そのため、ヒストリーパネルで一度元に戻してから、再度シャドウ・ハイライトを調整する、もしくは、はじめからバックアップとして元の画像レイヤーを複製しておくと良いでしょう。
以上、写真を映画風に加工する手順でした。映画風のポスターを作りたいときや、撮った写真にアクセントを加えたいときなどに是非お試しください。
写真を映画風にレタッチする方法 まとめ
- 画像レイヤーを複製⇒ハイパス⇒オーバーレイにより、写真に立体感を出す
- トーンカーブの調整により、写真に濃淡・メリハリをつける
- 彩度を下げることにより、写真をシブくする
- レベル補正で赤を弱めることにより、写真に不気味さを加える
- シャドウ・ハイライトにより、写真にファンタジー感を加える
- 調整レイヤーは後からでも簡単に調整できる