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今回は分かりづらいPhotoshopのシェイプ・パス・ピクセルの違いを解説します。
長方形ツールや楕円形ツールなどの図形挿入のツールを使うときに、オプションバーで[シェイプ][パス][ピクセル]が選択できます。これらの違いは何なのでしょうか。
1. ピクセルとシェイプの違いとは?
まずはピクセルとシェイプの違いを理解しましょう。パスについてはまた後で解説します。
どちらも図形を作った時点の見た目は同じ
ピクセルもシェイプも作成された時点の見た目は変わりません。
拡大したときの違い
[ピクセル]の図形は拡大するとぼやける
しかし[ピクセル]を選んで作った図形はビットマップ画像と呼ばれる形式になっています。ビットマップは、拡大表示するとぼけてしまいます。
[シェイプ]の図形は拡大してもぼけない
[シェイプ]の図形はベクトル画像と呼ばれる形式になっており、拡大表示してもぼやけません。
ビットマップ画像については以下の記事でくわしく解説しています。
縮小・拡大を繰り返したときの違い
ピクセルは一度縮小すると画質が落ちる
ビットマップ画像は一度でも縮小をすると、縮小した分だけ画質が落ちてしまいます。
つまりビットマップである[ピクセル]で作った図形は縮小するとさらに荒くなってしまうのです。
シェイプは縮小しても画質が落ちない
ベクトル画像は縮小と拡大を繰り返しても画質が落ちないのが特徴です。
つまりベクトルである[シェイプ]で作った図形は縮小と拡大を繰り返しても、荒くなることは一切ありません。
後から色変更ができるかどうか
ピクセルは後から色変更ができない
ピクセルは、キャンバスに直接図形を描くようなイメージです。そのため図形作成後に色を変えたいなら、塗りつぶしツールなどを使って重ねて塗り直さなければなりません。
シェイプは後からでも色が変えられる
一方でシェイプで作られた図形はベクトル画像です。書きたい図形の形にコンピュータが切り抜いた紙をキャンバスにペタペタと貼ってくれるイメージです。
シェイプなら図形作成後でも簡単に色を変えることができます。イメージ的には、コンピュータがキャンバスに貼った図形の紙を剥がし、色を変えて再度貼り直す、といった感じです。
ペイント編集の可否
ピクセルなら図形に直接ペイント編集ができる
すぐに荒くなってしまうピクセルですが、良いところもあります。
ピクセルであれば消しゴムやブラシを描いた図形に対して直接使うことができます。
シェイプだとペイント編集ができない
シェイプの図形に消しゴムやブラシを使って直接編集しようとするとこのような警告が出てしまいます。
「このシェイプレイヤーをラスタライズする必要があります…」というような警告ですね。[OK]をクリックすると、図形がシェイプからピクセルになります。つまりペイント編集はできるようになるものの、拡大するとぼやけるようになってしまうわけです。ラスタライズについてはこちら↓の記事でくわしく解説しています。
【結論】図形を作るときは基本的に[シェイプ]で
「後からでも簡単に色を変えられる」「縮小・拡大してもぼけない」という点から図形を作るときは[シェイプ]を選んでおくのがおすすめです。
ちなみにシェイプを選んで図形を作ると、シェイプレイヤーが作られます。
フォトショップでの図形の作り方についてはこちらの記事でゼロから解説しています。
2. Photoshopのパスとは?
では、もう1つの選択肢[パス]とは何なのでしょうか?パスもシェイプと同じでベクトル的な機能を持っています。パスは、シェイプを基準に考えるととても分かりやすくなります。
上の図を見て頂くと1番分かりやすいのですが、シェイプが「線と塗り」で構成されるのに対して、パスは線だけで構成されます。とはいえシェイプでも、中の塗りを透明にすれば「線だけの図形」を作ることができます。
[パス]は何のために使うの?
となると「パスは何のために使うの?」という疑問が湧いてきますが、パスは「選択範囲を作ったり、ユニークなブラシ線で囲まれた図形を作る」ようなことができます。とはいえ、図形作成時にパスを選ぶことはあまり多くないでしょう。
3. まとめ
- ピクセル:解像度の限界をむかえるとぼやける。縮小と拡大を繰り返すと劣化する(一度縮小して落ちた画質が戻らない)。
- シェイプ【おすすめ!】:「線」+「塗り」。縮小・拡大しても荒くならないし、ぼやけない。
- パス:「線」だけ。