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今回は少し分かりづらいPhotoshopの「調整レイヤー」の意味と使い方を解説します。
1. 調整レイヤーとは?
調整レイヤーとは、画像の上に重ねることで、間接的に色調補正をかける機能です。明るさ・コントラスト、彩度など、様々な種類の調整レイヤーがあります。
ただの「明るさ」や「彩度」の調整と何が違うの?
調整レイヤーを使わない場合
普通の色調補正の場合、画像の明るさや彩度などを直接変えることになります。「画像自体を加工してしまう」というイメージです。
そのため、何回も直接画像の明るさや彩度を変えれば、画像は劣化しますし、後からやっぱり変えたいというときに、元に戻すのが大変です。
調整レイヤーなら…
一方で調整レイヤーなら「彩度を変えるカバー」や「明るさを変えるカバー」などを作り、それを画像の上に被せることで色調補正をかけます。そのため、画像は劣化せず、後から色調補正をやり直したり、変えたりするのも簡単です。
調整レイヤーの特徴
調整レイヤーには以下のような特徴があります。
- 調整レイヤーを削除や非表示にすれば、簡単に元の色調の画像に戻せる
- 後からでも簡単に色調補正の具合を変更できる
- 複数の調整レイヤーを重ねられる
- 調整レイヤーの下にあるレイヤー全てに色調補正がかかる真下にだけかけることもできます
2. 調整レイヤーのかけ方
調整レイヤーをかける方法は2通りあります。
方法1:レイヤーパネルから
レイヤーパネルで、半月のようなアイコンをクリックすると、色調補正の種類が表示されます。ここから、かけたい色調補正を選びます。すると、調整レイヤーが追加されると同時に属性パネルが自動で表示されます。ここで、色調補正の具合を調整することができます。
なお「パネルってなんぞや」という方はこちらの記事を参考にしてみてください。
方法2:色調補正パネルから
もう1つは、色調補正パネルから調整レイヤーを追加する方法です。色調補正パネルが表示されていなければ、画面いちばん上のメニューバーの[ウィンドウ][色調補正]をクリックしましょう。
色調補正パネルでは、アイコンがたくさん並んでいます。各アイコンの上にカーソルをかざすと、補正の種類が表示されます。かけたい色調補正をクリックすれば、調整レイヤーが追加されます。
色調補正の具合は、方法1と同様に属性パネル(自動で表示される)から行うことができます。
3. 調整レイヤーのクリッピングマスク
通常だと、下にある全レイヤーに色調補正がかかる
調整レイヤーは、アクティブになっているレイヤーのすぐ上に追加されます。その下にある全てのレイヤーに色調補正かかることに注意しましょう。
真下の画像にだけ色調補正を適用させるには
まずはさきほど紹介した方法で調整レイヤーを追加します。その後、調整レイヤーを右クリックして[クリッピングマスクを作成]を選びましょう。これで直下のレイヤー1つだけに色調補正がかかります。
4. 調整レイヤーをコピー
他の画像ファイルに調整レイヤーをコピーしたいときには、以下のような手順を踏みます。ショートカット(Ctrl+C)でコピペすることはできないのでご注意ください。
まず、他の画像ファイル(キャンバス)にコピーしたい調整レイヤーを右クリックします。
表示されるメニューから[レイヤーを複製]を選びましょう。
すると、以下のようなレイヤー複製の設定画面が開きます。ここで保存先ドキュメントの部分で「コピーしたいファイル(キャンバス)」を選びます。
これでOKを押すと、指定したキャンバスに調整レイヤーがコピペされます。
5. 色調補正を取り消すor変更する
取り消す
通常のレイヤーと同じように目のアイコンをクリックすれば、調整レイヤーは無効化され、色調補正がかからなくなります。また、調整レイヤーをまるっと削除してもOKです。
色調補正の具合を後から変更する
一度かけた色調補正を後から変更したくなったときは、調整レイヤーの左側のアイコンをダブルクリックしましょう。すると、属性パネルが再表示されて、そこで色調補正の程度を変えることができます。
6. レイヤー同士を結合する
では、調整レイヤーを結合するとどうなるのでしょうか。
調整レイヤー同士の結合はNG
複数の調整レイヤーどうしを選択して、結合すると、色調補正効果は消えてしまいます(ただの透明なレイヤーになってしまいます)。
画像レイヤー自体も合わせて結合すれば、色調補正は反映される
色調補正をかけたい画像レイヤーも合わせて結合すれば、色調補正も反映されたレイヤーが出来上がります。
ただし、一度結合をしてしまえば、ただの画像になります。その後に色調補正の具合いを調整したくなった場合には、新たに調整レイヤーを追加する必要があるので注意しましょう。
※レイヤーの操作方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
7. 調整レイヤーの種類
調整レイヤーには、以下のようにたくさんの種類があります。
ざっくりとそれぞれの効果の解説をしていきます。Photoshop初心者の方がよく使うのではないかというものにはをつけています。
- 明るさ・コントラスト画像の明るさとコントラスト(明暗のメリハリ)を調整できます
- レベル補正 画像の色調、カラーバランス、シャドウ・ハイライトなどを細かく調整できます
- トーンカーブ細かな明るさやコントラストの調整を行うことのできます。本格的な写真加工をするときにはよく使います。
- 露光量カメラの露光量を操作するように、画像の全体的な明るさを調整できます。
- 自然な彩度すでに彩度が高い部分への影響を抑えながら、彩度が低い部分の彩度を調整できます。
- 色相・彩度画像全体の色合いと彩度を調整できます。
- カラーバランス色相よりも細かく画像全体の色味を変えることができます。
- 白黒画像を白黒に加工し、かつ色味ごとに白黒の明るさを変えることができます。
- レンズフィルター「写真全体をオレンジっぽく」や「青っぽく」のようなことができます。
- チャンネルミキサー画像の特定の色の部分を補正できる機能です。
- カラールックアップフィルムっぽい色合いなどの加工が手軽にできます。
- 階調の反転画像の階調を反転します。写真加工でときどき使います。
- ポスタリゼーション画像の色の階調数を指定できます。
- 2階調化画像を2階調にすることができます。
- グラデーションマップ画像の明暗に応じて、設定したグラデーション色をつけることができます。
- 特定色域の選択特定の色のみを補正することができる機能です。
このあたりは頑張って覚える必要はないかと思います。色々な記事や本のチュートリアルを参考にしながら作業をしていれば、自然と身につくものだからです。