【Photoshop】髪の毛を合成する方法(境界線を調整で切り抜き)

髪の毛をきれいに切り抜き

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この記事ではPhotoshopを使った髪の毛の合成方法をご紹介します。ある写真から髪の毛を切り取り、別の写真に貼り付けるというようなイメージです。このような合成は「コラ」と呼ばれたりもしますね。コラを作る上で、髪型はいじりやすい場所でもあるので、この髪型を変えてしまう方法を身につけると何かと便利でしょう。

サルワカくんの顔(通常)
サルワカくん

フォトショ初心者の方でもホンモノっぽく合成ができるよう、丁寧に解説していきますのでご安心ください。

対象バージョン
Photoshop CC/CS6/CS5

1. 写真合成の事前準備

1-1.完成イメージ

合成完成イメージ
合成前⇒合成後

このように合成で髪型を変えます。

1-2.写真を用意しよう

まず写真を2つ用意しましょう。1つめに髪型を貼り付ける画像、2つめに髪型だけ切り取る画像ですね。

髪型を貼り付ける画像:オバマさん

髪の毛合成元写真

大手写真素材サイトでオバマさんの画像を見つけましたので、今回はそれを使わせて頂きます。こちらから無料でダウンロードできます(加工も商用利用もOKな写真です)。

髪型だけを切り取る画像:ブロンドヘアの女性

髪の毛 合成先写真

髪型だけ使わせて頂く写真はこちらにしました。綺麗なブロンドヘアーですね。こちらから無料でダウンロードできます。

ポイント
髪の毛をコピーする画像は
①顔の角度が合成する顔の角度と合っていること
②髪の毛が全部写っていること
③背景と髪の毛の境界線がハッキリしていること

この3つの条件が揃っている写真を選びましょう。

1-3. 2つの画像をPhotoshopの別タブで開く

まずフォトショップで画像を開く
画像をそれぞれ開く

まず、2つの画像をPhotoshopの別タブで開きましょう。Photoshopをはじめたばかりで画像の開き方、フォトショの基本的な画面の見方がよく分からないという方は、以下の記事を参考にしてみると良いでしょう。

2. クイック選択ツールで髪の毛を大まかに選択

まず、ブロンドヘアーの女性から髪の毛を切り抜きましょう。ここからは簡単かつ高精度に髪の毛を選択できる方法を紹介します。

2-1.クイック選択ツールを選ぶ

クイック選択ツール

はじめに、クイック選択ツールを選択して、女性の髪の毛だけ選択していきましょう。

2-2.髪の毛をドラッグして選択していく

クイック選択ツール

クイック選択ツールは、何かと細かい選択をするときに便利なツールです。選択したいものをドラッグしていくと、フォトショさんが選択範囲をいい感じに自動調整してくれます。

クイック選択ツールで毛先を選択

毛先は、クイック選択ツールをもってしても選択が難しいですね。この画像のように、大まかに選択すればOKです。

クイック選択ツールにまだ慣れていない方は、以下のポイントを参考にすると良いかと思います。

選択のコツ

  • ドラッグ⇒離す⇒ドラッグ⇒離す…と少しずつ選択していきましょう。
  • オプションバーでクイック選択ツールのブラシサイズが変えられます。はじめはブラシサイズ大きめで大まかに選択、細かい境界部分ではブラシサイズを小さくして選択…と使い分けるのがおすすめです。
  • 「選択ミスった!」というときにはctrlZで直前の選択を元に戻すことができます。
  • 「ここ選択しすぎた!」というときには、選択を消したい部分をalt(option)を押しながらドラッグしましょう(ドラッグ部分の選択が消去されます)。

髪の毛だけ選択できた!

大まかに髪の毛が選択できました!

3.[境界線を調整]で選択範囲をこまかく調整

ここからは髪の毛の選択範囲をきれいに直していきます。Photoshop CS5/CS6/CCには[境界線を調整]という素晴らしい機能がついています。この機能を使えば、髪の毛のような細かく複雑なものであっても、超カンタンにきれいに選択・切り抜きができるのです。

3-1.[境界線を調整]をクリック

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まずは、画面の1番上のメニューバーから[選択範囲]⇒[境界線を調整]をクリックしましょう。

3-2.「スマート半径」にチェック

境界線を調整:スマート半径

すると、こちらの画像のような[境界線を調整]のポップアップが表示されます。画像ウィンドウには選択範囲内の画像(髪の毛だけ)が表示されます。ちょっと不気味ですね。こう見るとわかりますが、まだ選択範囲がかなりギザギザしちゃっています。調整するために「スマート半径」にチェックを入れましょう

3-3.「半径」のスライダーを右に動かす

スマート半径のスライダーを動かす

チェックをつけたスマート半径の下に「半径:」というスライダーがついています。これを右にスライドさせましょう。すると選択範囲が調整され髪の毛まで細かく選択されます。スライダーを右にすればするほど境界がぼやっとします。違和感がない程度にぼやっとするくらいがベストでしょう。

サルワカくんの顔(通常)
サルワカくん
どのくらいスライドさせるかは、”選択するもの”や”画像の大きさ”によって異なります。画像ウィンドウを見ながら「あ、いい感じに選択範囲が調整されたな」というところまでスライドさせましょう。

3-4.なぞって選択範囲をさらに調整

調整を全てフォトショさんがやってくれる分、”きれいに選択されている箇所”と”選択されすぎor選択できていない箇所”が出てきてしまうかと思います。しかし、この微調整も簡単に行うことできます。

[半径調整ツール]をクリック

半径調整ツールをクリック

画像のブラシのようなアイコンを右クリックして[半径調整ツール]をクリックしましょう。

調整したい境界線をドラッグする

選択範囲の境界線をドラッグ

「ここはもっと調整したいな」ところをフリーハンドでドラッグしましょう。すると、その部分だけさらに自動調整を行ってくれます。少しずつ、何度も調整を行っていきましょう。

参考

境界線の調整:表示モードの変更

境界線の調整ウィンドウの中の[表示:]という画像アイコンの部分をクリックすると、選択範囲内の画像のプレビュー方法を切り替えることができます。たとえば[黒地]を選ぶと、背景が黒になって髪の毛の境界線がよりはっきりと見えるようになります。※ あくまでも作業をしやすくするための切替で、実際の選択範囲には影響はありません。

3-5.OKを押して選択完了!

OKを押して完了

調整が完了したら、ウィンドウのOKをクリックしましょう。画像の髪の毛の部分が選択されていますね。もしかすると「さっき調整した選択範囲とずれてる」と思うかもしれませんが、ちゃんと調整したように選択されているのでご安心ください。

3-6.髪の毛をコピー

ここまでできたら後は、オバマさんの画像に髪の毛を貼り付けていきます。というわけで、選択された状態のまま、ctrl(⌘) + Cでコピーしましょう。

4.合成したい写真に髪を貼付け

4-1.髪の毛をペースト

髪の毛をペースト

次に髪の毛を貼り付けたい画像を開き、ctrl(⌘) + Vでペーストしましょう。なんだか、ものすごくでかくなってしまいました。

4-2.ctrl(⌘) + Tでサイズ調整

髪の毛の大きさを調整

ctrl(⌘) + Tをクリックすると、貼付けた髪の毛のサイズを変えられるようになります。角をドラッグして、角度と大きさを調整しましょう。

左右反転

今回は、右クリック⇒[水平に反転]により髪型の向きを反転させます。

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良い感じにフィットしました。位置と角度が合ったらEnterを押します。あとは微調整をしていきましょう。

ポイント
shiftを押しながらドラッグすると、髪の毛の縦と横の比率を一定に保ったままサイズを変えることができます。

5. 貼付け先に合わせて色調や形を調整

ここからは、髪の「明るさ」や「色み」、「輪郭」などを貼付け先にフィットするように調整していきます。

5-1.髪の毛の明るさ・コントラストを調整

髪の毛の明るさ・コントラストを調整

まず髪の明るさとコントラストを、貼り付け先と合わせましょう。これは髪の毛だけが目立ってしまわないようにするための非常に重要な作業です。明るさとコントラストは、メニューバーの[イメージ]⇒[色調補正]⇒[明るさ・コントラスト]をクリックすることで調整ができます。※ もちろん色調補正パネルから調整レイヤーとして明るさとコントラストを変えてもOKです。

5-2.[覆い焼きツール][焼き込みツール]で明るさを部分調整

髪の毛を焼き込みツールで暗くする

次に髪の明るさを部分的に調整していきましょう。[覆い焼きツール]を使えば、ドラッグした部分だけが明るくなります。逆に[焼き込みツール]を使えば、ドラッグした部分が暗くなります。今回は、[焼き込みツール]で明るすぎる部分&輪郭部分を暗くしました。

ポイント
貼付け先の写真はどこから光が当たっているのかを読み取り、影になるであろう部分を暗くしましょう。

5-3.彩度を調整

必要に応じて髪の毛の彩度を、顔や背景の色とマッチするように調整しましょう。彩度はメニューバーの[イメージ]⇒[色調補正]⇒[色相・彩度]から変更できます。今回のオバマさんの例では調整が必要なさそうでした。

5-4.[消しゴムツール]で輪郭を調整

髪の毛を顔の輪郭に合わせる

これも非常に重要です。[消しゴムツール]で不自然に入ってしまっている線などを消していきましょう。また、顔の輪郭とうまくなじんでいない部分があれば、そこも消しゴムツールでうまく調整していきましょう。

ポイント

消しゴムツール設定

消しゴムツールで髪と顔の境界を調整するときは、オプションバーで不透明度を50〜70%程度、ブラシの硬さを50〜80%程度にすると、自然に調整をしやすいでしょう。

5-5.[スタンプツール]で髪の毛を増やす

スタンプツールで髪の毛を増やす

Photoshopでは[スタンプツール]を使えば、簡単に増毛ができてしまいます。増毛の方法は次のようになります。①コピーする毛の部分をalt(option) + クリック ②毛を増やしたい部分をドラッグ

これだけです。①で髪の毛のサンプルを取得して、②で貼り付けているのですね。広範囲に増毛する場合は、髪の種類がワンパターンにならないように、①のサンプルをこまめに、色んな場所から取るようにしましょう。

サルワカくんの顔(通常)
サルワカくん
スタンプツールは他にも色々と使えます。例えば、肌をサンプルとして取れば、肌を拡大することもできます。おでこを広くしたいときなんかに使えますね。

6. 増毛完了!

髪の毛の合成 完成
Obama with blonde hair

武田鉄矢みたいですね。オバマさんにしてはサラサラヘアーすぎて違和感たっぷりですが…。オバマさんをモデルに選んだことの宿命かもしれません。

裏技:白黒にする

髪の毛の合成 完成モノクロ
白黒にした場合

ちょっと卑怯な技ではありますが、白黒にするとより違和感を感じにくい合成写真になります。また、コントラストをちょっと上げるとより合成らしさが無くなり、味が出たりします。ご参考までになれば幸いです。

7. Photoshopで髪型を変える方法まとめ

まとめ
  • 髪を持ってくる画像を選ぶときは①角度が合っていること②髪が全部写っていること③髪の輪郭がハッキリしていることの3点に注意。
  • まず髪の毛を[クイック選択ツール]で大まかに選択
  • [境界線を調整]⇒[スマート半径]により、選択範囲をより精密にする
  • 髪をコピペしたら、まず大きさや角度を合わせる
  • 髪の明るさ、彩度、コントラストを貼付け先に合うように調整
  • 焼き込みツール、覆い焼きツールで部分的に明るさを調整
  • スタンプツールで増毛・おでこを広くする
  • 【裏技】白黒にするとより自然に

サルワカ