人生で一度は読みたい
おすすめ本・面白い本
100本当におすすめできる本だけを、100冊集めました。対象ジャンルは、小説から雑誌、歴史書、経済書、写真集などまで。当サイトの中の人が集まり、過去に読んだ本について紹介し合ったうえで決めました。各人の主観が入っているため、ランキング順位までつけることはできませんでしたが、100冊とも一読の価値があるはずです。
面白い小説・名作
とんび
人気の小説ランキングなどで度々上位に食い込んでいる人気作品です。テーマを挙げるとすれば「親子の愛情」です。舞台は小さな田舎町、主人公は不器用ながらも真っ直ぐなお父さん(=ヤスさん)。たくさんの失敗を重ねながらも、一生懸命に息子を育てようとするヤスさんの姿には感情移入してしまう方も多いはず。話の大部分は、淡々と進んでいく日常生活により構成されていますが、退屈さは感じません。いつのまにか物語に引き込まれ、ページをめくる手は止まらなくなります。純粋に、とても感動した作品です。
わたしを離さないで
日系イギリス人のカズオ・イシグロさんの「日の名残り」に並ぶ名作。 日の名残りも読みましたが、心を大きく揺さぶられたのは断然こちら。僕はというと読み切った後も、しばらくこの本のことが頭を離れませんでした。あらすじを知らずに読んだほうが衝撃的かと思うので、あらすじの説明は控えておきます。何でもない毎日の価値を突きつけてくる本です。
ちなみに、2016年には綾瀬はるか/三浦春馬/水川あさみ主演という豪華なキャストでドラマ化されたようですね。見たという方も多いのではないでしょうか。
冷たい校舎の時は止まる
ストーリーは、高校生の主人公が仲良しグループの友人数名とともに学校に閉じ込められるところから始まります。ふとした写真から、主人公たちは「自分たちの中の誰かがすでに自殺している」ことに気づきます。しかしそれが誰なのか、誰も思い出せない。一人ずつ消えていく友人と、代わりに残される「おもいだした?」という不気味なメッセージ。果たして自殺したのは誰なのか、無事に学校を脱出できるのか?ハラハラしながら読み進めることになります。
少しホラー的な要素も含まれますが、登場人物がそれぞれの事情を抱え、その内面と向き合う描写が多いので、ただただ怖い話、というわけではありません。スリルがありながらも、人の心や、誰もが持ったことがある悩みを丁寧に文字にした小説。
デセプション・ポイント
「ダヴィンチ・コード」等で有名なダン・ブラウンのミステリー小説。地球外生命体の化石が発見された、という知らせを受けたアメリカ大統領が、主人公レイチェルを北極の現場へ派遣します。民間の研究者4人も集められており、様々な角度からの検証で化石が本物だと証明されますが、夜、研究者の一人がある発見をしてしまい、殺されてしまいます。レイチェルたちも特殊部隊に追われ、大規模な謀略に巻き込まれていきます。
ダンブラウンの十八番の歴史ミステリーではなくSF色が強いのが特徴ですが、学術的な知識も得られ、次々と解明されていくトリックに読む手がついつい止まらなくなります。
コンビニ人間
コンビニで働いているときに唯一、自分の存在意義を感じる女性が主人公のフィクション小説です。 この本の魅力は、「変人が素敵な人と出会って人生の本当の価値が分かった!ハッピーエンド!」というような暑苦しさが無いところです。「変人は変人のままでいいんだ」と心を軽くしてくれるようなユニークな物語なのです。色んな生き方があるのが何より。
「日本の闇をとらえた本」という声もあるようですが、昔と比べれば少しずつ多様性を認める世の中になっているような気がします。この本が話題になり、内容を前向きに受け取る人が多いということもそれを表しているんじゃないかな。なんて私は思うのです。
カモメに飛ぶことを教えた猫
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
主人公は黒猫のゾルバ。お留守番中に一匹の力尽きたカモメが空から落ちてきます。カモメはゾルバに(1)これから生む卵を食べないこと、(2)生まれてきた雛を育てること、(3)雛に飛ぶことを教えてやること の3つのお願いします。ゾルバは雛に愛情をたっぷり注ぎ育て上げ、雛を何とか飛ばせてやろうと、猫仲間たちと試行錯誤します。
月並みな感想ですが、違う者を愛する様子には心温まります。そして作り話と分かっていながらも「やっぱ猫って最高やな…」となります。大人にも子どもにもおすすめです。
グレート・ギャツビー
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
言うまでもなく素晴らしい名作。Wikipediaによると5度も(別の監督により) 映画化されているようですね。「華麗なるギャツビー(邦題)」と聞けば、ピンとくる方もいるはず。原作や、他の翻訳書を読んでいないので何とも言えませんが、村上春樹氏による翻訳がとても良かったように思います。ノルウェイの森のような物悲しさと、リズムの良い語り口。何より、外国の古典文学にありがちな遠回しで堅苦しい表現が噛み砕かれているようで(原作からそうなのかもしれませんが)、気持ち良く読み切ることができました。
ストーリー自体はさほど珍しいものでは無いかもしれませんが、「ギャツビー」という人物を強烈に、力強く、読む人を惹き付ける(応援したくなる)ように描いたのは、さすが「英語で書かれた20世紀最高の小説」と評されるだけあります(※ Modern Libraryが1999年に発表したランキングにて)。
地底旅行
ディズニーシーのセンターオブジアースのモデルとなった小説です。以前、この話を原作とした映画も公開されていたかと思います。 鉱物学を専門とする博士は、地底世界の存在を示す暗号文を解読します。そこで博士は甥と現地で雇った案内人を連れて、火口の中を降りていきます。 地底世界の描写は壮大で、ロマンチックで、夢があります。豊かな想像力と純粋な好奇心がなければできないような世界観なのです。読んでいると、子どもの頃に戻ったようにワクワクしてきます。
なお、地質学や生物学、物理学の原理原則に忠実な部分が多々あり、科学的な言及も多く、それが物語を「大人でも楽しめる説得力のあるもの」にしているのではないでしょうか。
白鯨
実話を基に描かれた、巨大な白鯨との闘いをめぐる物語。とにかく語りが力強く個性的。怒涛の勢いでまくしたてられるようです。ヒートアップしすぎて、物語そっちのけで白鯨の生態や捕鯨手法について詳細な解説が並ぶようなページもあります。しかし、これこそが鯨に闘いを挑む船員たちの異常なまでの執念を表しているようで、とても面白い。 手に汗握らずして読めない強烈な小説です。
パーフェクト・ブルー
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
かの有名な宮部みゆきの、初めての長編小説。物語は元警察犬のマサの視点で進んでいきます。マサの飼い主は探偵事務所の調査員。ある日、飼い主とともに残酷な事件現場に遭遇します。時を同じくして、製薬会社絡みのもうひとつの事件が起こります。全く関係なさそうなこれら2つの事件が絡み合い、物語は驚きの展開をみせていきます。最後まで読むと、作中のあらゆるトリックがつながり、すっきりすること間違いなしの一冊。
カラマーゾフの兄弟
説明する必要も無いんじゃないかというくらいの名著です。100年以上前に出版されたにも関わらず、未だに世界中の多くの人に読まれ続けてる本です。
あまりにも多くの人が絶賛するので、僕も読んでみたのですが、これが想像以上に読みづらい。登場人物が多く、それぞれが重要な役割を持っており、さらにロシア語のカタカナダラケノ名前ェーなので覚えづらいのです。描写は細かく、さらに気が遠くなる程に話しが長いので、全体象が非常に掴みづらい…。挫折する人が多いのも頷けました。
しかし、人物の相関関係をなんとなく掴んでからは、物語にぐいぐいと引き込まれます。一人ひとりの人間性がものすごく細かく、生々しく描かれており、感動すら覚えます。また「大審問官」の章をはじめとして、神(宗教)の存在意義に対して異議を唱えていく様には「たしかに文学史上最高傑作なのかもしれないな」とひしひしと感じたものでした。 ライトな楽しさ・面白さを求めているときには読むべきではなさそうですが、たしかに人生のどこかで一度は読みたい本と言えるでしょう。
ちなみに登場人物相関図を参考にしながら読み進めると、流れが理解しやすくなります。
銀河ヒッチハイクガイド
世界で合計1,600万部以上売れているSF小説です。会話や設定にはギャク的な要素が散りばめられています(そのギャク的な要素があまりにも多いため、やや好き嫌いが分かれるかも)。 設定、世界観は非常にユニーク(地球が滅んだ後の宇宙でヒッチハイクをするという物語)。著者が楽しみながら好き勝手に書いたんだろうなぁということが伝わってきます。
そして、何よりの魅力は、ギャク要素の中にも「これって現実であり得るかも」というような哲学的な問いが多く含まれていることです。シミュレーション仮説を連想させる描写もあり、個人的には大満足でした。
ライ麦畑でつかまえて
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
主人公の少年の独特な語り口調で、物語が進んでいきます。読み始めて2ページ目くらいで分かるかと思いますが、主人公は世間をとことん斜めから見ています。 全てが気に入らず、ありとあらゆることに対して文句をつけます。特に建前が嫌いでならず、孤独の道を進んでいきます。それでも、ときどき見える少年の純粋さには痺れるものがありました。読めば誰でも「大人になるとは一体…」と考えてしまう一冊です。
関係ないですが、この本を読んだ後に書く文章は、なぜか少年の口調寄りになってしまう不思議。まったく、こまったもんだよ。
星を継ぐもの
ハードSFということで読み始めましたが、前半は手強く、やや退屈な印象。振り返ると分かりますが、物語の後半に繋がる伏線や仮説などが淡々と叙述されています。また、文章はやや無味乾燥で、(説明のない)専門用語が多く、苦痛に感じられる人も多いのではないかと思います。
しかし、独特な文体に慣れてくる頃に、途端に面白くなります。伏線が繋がり、謎が少しずつ解けてくる頃には胸が高鳴るはず…!SFの名著。
15少年漂流記
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
小さい頃に何度も読みました。 知恵を使って、生き延びるための仕組みや環境を作り上げていく「サバイバル」にどれだけ憧れたことか。時代が変わっても人の「ロマン」というのは変わらないものですね。不朽の名作です。
陽気なギャングが地球を回す
こちらはご存知の方も多いはず。伊坂幸太郎さんの本は、重力ピエロにせよ、死神の精度にせよ、少し重たくサスペンス要素が強い印象ですが「陽気なギャング」シリーズは読みやすくて、とにかく楽しみながら読んでいくことができます。
それでいて、伊坂幸太郎さんらしい秀逸な伏線の回収がされており、一気に読破したくなります。
感動する本
旅をする木
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
故 星野道夫さんは、アラスカで動物や自然の写真を撮り続けた冒険写真家です。皮肉にも熊に襲われて亡くなってしまいましたが、今でも本や写真を通じて、多くの人に感動を与えています。
星野さんが素敵なのは、自然の魅力を心の底から感じていながらも、人間社会から離れて生きていこうとするのではなく、同時に人間も愛していたところです。星野さんの文章からは生命の良いところも悪いところも全て受け止めるような柔和さが伝わってきます。
「旅をする木」は星野さんのアラスカでの様々なストーリーを綴ったエッセイです。僕が星野さんのファンになったのはこの本がきっかけです。読んでいると、不思議と心が洗われるような気持ちになります。そして文章のところどころから、かすかな物悲しさを感じるのです。 心からおすすめしたい一冊。
25年目の「ただいま」
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
バーチャル地球儀システム「Google Earth」を頼りに自分のルーツである故郷を探して当て、25年ぶりに家族に再会する青年の物語です。(Google Earthという要素を除けば)いかにもフィクションらしいストーリーラインなのですが、事実に基づいた話です。 青年の前向きに全てを肯定する姿勢、養親の主人公への愛情、そして実の家族との再開…と何から何まで壮大で温かく、美しく、心が温まります。
なお、2017年には「LION/ライオン 25年目のただいま」という邦題で映画が公開されています。まだ見ていませんが、そちらもきっと面白いはず!
フェルマーの最終定理
嘘のように壮絶で壮大なノンフィクションの物語。1600年代に生きたフェルマーは超天才数学者でした。フェルマーは、至るところに「◯◯という定理が真であることを証明した」と書き残します。しかし肝心の証明方法が載っていないものが多数ありました。
そのうちの殆どが数学者たちの努力により証明されたものの、 1つだけどうしても証明ができないものがありました。最後に残ったその定理は「フェルマーの最終定理」と呼ばれるようになります。そして、数学者たちとのフェルマーの定理との戦いは、350年以上にわたることになるのです。
この本に登場する細かい数式は、ある程度数学に精通した人でないと分から無さそうですが(少なくとも僕には理解できない部分がありました)、その部分を理解しないまま読み進めても、十分に面白いはずです。本書に登場する、フェルマーの定理をきっかけに数学の世界に足を踏み入れたワイルズ氏のように、本書を読んで数学の道を進むことを決めた人もきっといるのでは。名作中の名作。
地球家族
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
世界中の家族を訪れ、家の中のモノをぜーんぶ引っ張り出してもらう。そして、そのモノと一緒に記念撮影をする…。そんな大掛かりなプロジェクトの写真集なのですが、1枚1枚の写真が本当に興味深いのですよね。家の中のモノが同じように並ぶと、生活環境の違いが残酷なくらいに浮き彫りになるのです。
とはいえ、見ていて悲しくなるようなものではないのが良いところ。むしろ「世界は広いな」「色んな生き方があるんだな」と、元気がもらえる写真集です。Amazonを見てみたところ、今は中古しか取扱いがないようです。以前、代官山蔦屋書店で見かけましたが、まだあるかな。
君のためなら千回でも
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
邦題は恋愛小説のようですが、民族問題や宗教問題の中での「友情」が大きなテーマとなっています(原題はThe Kite Runnerです)。舞台はアフガニスタンとアメリカ。ストーリーを通して何度も、生まれた場所と環境により決まる残酷な現実を突きつけられることになります。 裕福な家庭に生まれた主人公は、召使いの息子である親友を守ることができず、罪の意識を抱え続けることになります。戦争から逃れるために、父親とアメリカに移民しますが、裕福な生活とは一転、過酷な生活を強いられることになります。その落差が、何ともやりきれないのです。
作者は、実際にアフガニスタンからアメリカに移民した方だそうです。実際に大変な苦労をされたであろうことは想像に難くありません。残酷ながらもとても美しい話です。涙なしには読めません。 なお、現在、中古でしか手に入らないよう(?)です。
博士の愛した数式
不覚にも泣かされてしまった本。 事故の後遺症で80分しか記憶が続かない数学博士の家に、「私」が家政婦で派遣されます。博士は「私」がシングルマザーで、息子を家で留守番させてると知ると、翌週から息子も連れてくるようにと伝えます。そこから博士と、私と、息子のほんのり温かい物語が展開されていきます。
この作品を通して綴られる、博士と母子の日常がたまらなく愛おしいのです。この本の面白さも、魅力も、感動も、博士の人間性と数学への愛情から生まれているのではないかと思います。ストーリーよりも、博士の言葉と行動に、ただただ惹かれていくのです。読み終わったときの幸福感は、どの本にも勝るものがありました。心からおすすめしたい小説。
ナショナルジオグラフィック傑作写真集
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
ナショナルジオグラフィックは、世界で最も権威のある写真雑誌です。創刊から100年以上の歴史があるわけですが、その中でも特に傑作とみなされた写真だけを集めたのがこの本です。
ナショナル・ジオグラフィック傑作集より©WOODS HOLE OCEANGRAPHIC INSTITUION ©EMORY KRISTOF ©LUIS MARDEN
陳腐な表現ですが、写真ってすごい…と心の奥底から感動します。ただしナショナルジオグラフィック展に行った方は、見たことがある写真がほとんどかと思います。
ナショジオ傑作写真集ワイルドライフ2
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
ナショナルジオグラフィックによる「野生動物」の傑作写真集(第二弾)です。監修は動物写真家の岩合光昭さん。日本人として初めてナショナル・ジオグラフィック誌の表紙を飾った方ですね。 タイトルの通り、本当に傑作写真しか載っていません。どの写真も生命の迫力、躍動感、神秘を切り抜いており、何度見ても感動します。特にイワシの大群に襲いかかるホオジロザメの写真をはじめて見たときには鳥肌が立ったのを覚えています。
虹の橋
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
インターネットで世界的に広まった作者不詳の散文詩「虹の橋」。こちらはその絵本版です。ペットを飼っている人、飼ったことのある人なら涙なしには読めません…。 散文詩は虹の橋のウェブサイトで見ることができます。
山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
山中教授の人間性が滲み出ている名著。 日本を代表する研究者であるにも関わらず、謙虚で、ユーモアがあり、周囲への感謝を忘れない真摯な姿勢が本当に素敵です。しかし、その道のりは平坦ではなかったようで、大きな挫折を味わい、鬱状態を乗り越え、iPS細胞の発見に至ったとのこと。また、本書では「iPS細胞とは何なのか」についても分かりやすく解説されています。
誰に対しても強くおすすめできる本ですが、特に研究者や、研究に励む学生が読めば、より一層打モチベーションが湧いてくるのではないかと思います。また、中高生が読めば人生が変わるかもしれない。それほどの影響力がある本だと思います。
みさおとふくまる
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
おばあちゃんと愛猫の日常が淡々と切り取られている写真集。愛くるしく、美しく、温かく、そして、どことなく切なさを感じます。 猫はキリッとした凛々しい顔をしています。鋭い視線がかっこいい。そんな猫がおばあちゃんの隣で安心したように眠る姿を見ると、なぜだか涙が出そうになるのです。
ボリュームは少なく、ペラペラとめくれば3分で読み終わるような写真集ですが、何度見ても心を大きく揺さぶられます。
知的好奇心を刺激する本
冒険図鑑
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
30年以上前に初版されたサバイバル・ガイドです。野外生活を充実させるためのポイントとワザが、辞書のようにまとまっています。
冒険図鑑より
内容は「かまどの作り方」から「お手軽山料理の作り方」「魚のさばき方」「山で取れるものを使った遊び道具の作り方」などまで。その内容の濃さとマニアックさたるや、アウトドア好きには発狂モノです。3センチほどの分厚さながら、ミッチリとイラストが使われており、解説は全て図解。この1冊を作り上げるために相当時間をかけたんだろうなぁという熱量が伝わってくる最高の本です。
2100年の科学ライフ
隠れた名著です。著者は理論物理学者のカクミチオ氏。ひも理論分野の権威と言われるお方です。そんな方があらゆる分野の研究者に取材を重ねて(300人以上にインタビューされたとのこと)、未来予測の本を書きあげたわけです。他の未来予測本と比べて、根拠がしっかりと書かれており、技術的な部分についても触れられています。にも関わらず、専門知識が無くても理解できるような易しい書き方がされているのが本書の魅力。
全体を通してポジティブな未来予想になっており、読んでいるだけでワクワクします。かなり分厚いですが、ページをめくる手が止まらなくなるはず。
世界を変えた50の食物
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
パン、牛肉、デーツ、粉ミルク、ビールなど世界に大きな影響を与えた50の食物を詳しく紹介しています。取り上げられているのは食材から加工食品、調味料まで幅広く、中にはスタバのコーヒーやコカ・コーラなんかも。その食物が「歴史的にどのように生まれ、どのような役割を果たしてきたのか」がたっぷり説明されています。絵や図が多く載っているからか、飽きずに次へ次へと読み進めることができます。基本的には身近な食べ物が取り上げられており、読めば「へぇ〜」と感動する部分が少なからずあるはず。
世界を変えた50の動物
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
「世界を変えた50の食物」が面白かったので、こちらも購入。人類の生活に大きな影響を与えた動物を50(昆虫を含む)紹介しています。読む前から含まれているだろうなと想像していた豚、鶏、犬、猫、羊あたりはもちろんのこと、中にはフンコロガシの1種なんかも取り上げられています。はじめて聞くような動物が、国と時代によっては政治的、宗教的な意味を持っていたりするというのだから面白い。隅から隅まで感動して一気に読破した1冊です。
ちなみに、いちばん興味深かったのは、50番目に紹介されている動物でした。
フラットランド
これほどに「多次元」について、直感的に理解できる本は他に無いのではないでしょうか。フラットランドの初版はなんと1884年に発行されたとのこと。これはスゴイ。100年以上経っても全く内容は陳腐化していません。フラットランドは二次元世界の住民が、一次元や三次元の世界を行き来する物語です。その3つの世界を捉えていくと、何となく4次元以上の世界がどんなものか想像できるのです。サクサクと読み進めることができますが、是非たっぷりと時間をかけて読んで欲しい1冊。
100年前の世界一周
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
1905年に世界一周の旅に出たドイツ人の青年による写真旅行記です。まだ発展していない日本やインド、アメリカなどの写真が多数載っているのですが、これが圧巻です。100年以上前のカラフルな日本の写真を見ると「本当にこんな風景だったんだな」「本当にこんな服装をした人達がいたんだな」と不思議な気持ちになります。
タイムスリップしたような気分にさせてくれる大好きな本の1つです。
MAPS 新・世界図絵
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
国ごとにどデカいイラスト地図がのっており、地図上には、その国の地理や文化、生物などについてぎっしりとイラストが描き込まれています。本当に隅々まで充実しており「この国にはこんな町があるのか」「こんな生き物が住んでいるのか」とたくさんの発見があります。スマホを手元に置いて、気になったイラストをググりながら見ていくと超楽しいのでオススメです。
LIFE 人間が知らない生き方
動物たちのユニークで笑える習性をマンガ+文章でまとめている本です。例えば「ナマケモノは天敵に見つかってしまった時、早々と諦める。このとき、せめて痛くないように前身の力を抜く。もしくは、手を木から離して地面に落下する(このとき骨が折れてしまうことも)」など。
LIFE 人間が知らない生き方 より
このような動物の笑える習性がひたすら紹介されているのです。面白くないはずがありません。マンガページも多く含まれているため、3時間もあれば読み切れるはずです。
世界を変えた100日
1800年代後半からの世界が変わった日のことを写真と共に振り返っていく本です。歴史の教科書では数行で片付けられるあの事件も、写真を通して見ると、途端に自分の中で意味を持つような気がしてきます。現実に起きたこととして再認識できるという感覚ですね。
世界を変えた100日 より
そして、自分が生まれてからの出来事を見ると、「あぁ、たしかにあの日に世界は変わったのだな」とひしひしと感じます。予想はしていましたが、嬉しい日よりも悲しい日の方が断然多いことに、どうにも複雑な気持ちになるのでした。
本当にあった奇跡のサバイバル60
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
世界中の過去にあった「九死に一生を得た人々の物語」がまとめられています。60の話どれもが凄まじいのですが、とくに脱獄や強制収容所からの脱出には「映画かよ」「ショーシャンクかよ」と感嘆の声が漏れてしまいました。
本当にあった奇跡のサバイバル60 より
人間の生命力は時として凄まじいものなのだな、と感動する本です。
極上の世界旅行
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
世界の絶景スポット系の本は何冊も読んできましたが、この本に勝るものは未だに知りません。
第一に、内容が非常に充実しています。紹介されているスポットは、400カ所以上。 第二に、これだけ多くの場所が網羅的に紹介されているにも関わらず「その場所の何が魅力的なのか」や「何をして過ごすのが良いか」というあたりまで触れられています。
何より、他のこの手の本と異なり、写真が大げさに加工されていません。実際に目で見たときに近いであろう写真が使われているのです。海外旅行先探しをするなら、この本で決まりですね。
この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた
もしこの地球がリセットされたら「どうやってイチから文明を作るか」という興味深い内容を解説した本です。映画「オデッセイ」に通ずるものがあります(火星で数年間生き延びる男の話。マット・デイモン主演)。
現代の日本では当たり前すぎてあまり実感が湧きませんが、私たちの生活を支えているのは、生物学、化学、物理、数学、そしてあらゆる先人の知恵だということ。学問の力を感じるとともに、知的好奇心をくすぐられる一冊。
ビジュアル世界大地図
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
見開きの巨大な世界地図上に、様々なデータがまとめられています。例えば「世界のどこから恐竜の化石が発見されているのか」や「国ごとにどれだけの軍事力があるか(どれだけの軍艦や核弾頭を保有しているか)」などなど。グラフやインフォグラフィックにより表現されているため、一目見て視覚的に分かるうえ、解説文も地図上に細かく記載されており、色んな楽しみ方ができます。
ビジュアル世界大地図 より
「あの地域ってどんな環境なんだろ?気温はどのくらいなんだろう?地震は起こるのかな?」などと調べたいときにもとても便利。そして一度開くと、隅から隅までついじっくりと眺めてしまいます。
キッチハイク
「世界中の見知らぬ家庭を訪れて、ごはんを食べさせてもらう」というユニークな企画の体験記です。どの国のどの家庭の料理も、とても美味しそう!そして、みなさん笑顔が素敵なのです…。その家庭の人々との交流風景も綴られており、心が温まります。
ちなみに著者は、FacebookやAirbnbを通じて、ごはんを食べさせてもらいたいに頼み、許可がもらえたらそのお宅まで訪れていたのだそうです。とんでもない度胸。
世界をつくった6つの革命の物語
全米ではベストセラーになったというユニークで面白い歴史書です。「ガラス」「冷たさ」「音」「清潔」「時間」「光」の6つテーマに関して、過去にどんな発明があり、どのように世界が変わったのか、その歴史が紹介されています。この本が素晴らしいのは、ただ「革命的な発明があった」という事実が述べられるだけでなく、どんな社会環境で、どんな問題が起こっており、他にどのような技術があったからこの発明が起こり得たのか、というような部分にまで触れているところです。序章を含め、全テーマで知的好奇心を刺激されます。
世界で1番美しい猫の図鑑
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- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
本棚に入れておきたい図鑑です。1枚1枚の写真が本当に美しい…。眺めているとうっとりしていまいます。それぞれのネコについての特徴や性格だけでなく、歴史にまで触れられており、図鑑らしさがあります。
なおネコ好きの友人にプレゼントすると間違いなく喜ばれます。サイズはかなり大きく、ハードカバーで紙質はしっかりしています。表紙も美しいので、プレゼントにぴったりなのです。 世界で一番美しい犬の図鑑も出たみたいですね。
ニコラ・テスラ秘密の告白
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- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
ニコラ・テスラは超偉大な発明家です。同世代のエジソンの影に隠れてしまいがちですが、「テスラコイル」をはじめとして多くの実績を残しています。ちなみに自動車会社TESLAの社名の由来にもなっています。
この本では、ニコラ・テスラによって書かれた自伝です。頭が良すぎせいか、ところどころスピリチュアル寄りな主張がところどころにありますが、それがまた説得力のあるオカルト本を読んでいるようで刺激的なのです。
まちのゲストハウス考
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
「どうやって素敵なゲストハウスを作るか」がテーマの本ですが、 ゲストハウスを運営する予定のない人でも楽しめる本です。 成功しているゲストハウスの事例がいくつか紹介されているのも良いのですが、 何よりところどころに挿し込まれるイラストが最高。
まちのゲストハウス考 より
「玄関はこうして、ドミトリー部屋のベッドはこうして、バーを作って…」と細かく描き込まれたイラストには浪漫を感じてならないのです。子ども心がくすぐられるというか。 もっと人気が出るべき本。
ポートランド 世界で一番住みたい街をつくる
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
最近よく耳にするようになった米国オレゴン州の「ポートランド」。もともと工業都市であったにも関わらず、魅力的な町おこし政策と、地域住民・企業の取り組みにより、『米国の住みたい街ランキング』で1位を獲得するようになりました。本書では、ポートランドの何に人々が魅了されているのか、そして、どのような仕組みでそのような街を作ることができたのか、の2点が非常に詳しく書かれています。
日本の“まちづくり”というと、なんとなくこじんまりした印象がありますが、 ポートランドの成功事例を見ているとそのイメージが覆ります。やり方次第なのだなと(やるのが非常に難しいのでしょうけど)。
面白い本・笑える本
会議でスマートに見せる100の方法
会議からプレゼン、夜のディナーまで、スマートに乗り切るための具体的なテクニックが100コ書かれている本です。くだらなさすぎて最高に笑えます。また「あー、これやる人いるいる」と思い当たる部分が多々あるはず。個人的に好きだったのは「自分のプロジェクトを、歴史上の成功したプロジェクトと同列に紹介する」という項目。「電気、車、iPhone」などについて話した後に、自分の作ったものを紹介すればあたかも偉大な発明に連なるかのように聞こえる、というプレゼンハックです。
100コ全部がすぐにでも実践できるライフ&ビジネスハックの面白本です。
アフリカなんて二度と行くかボケ
笑える旅行エッセイ本は多いのではないかと思いますが、 隅から隅まで笑いが止まらないのがこちら。特に、ホテルで盗難に遭って警察に行ったら占い師を紹介され、占い師のおばあちゃんにはスピリッツが憑依するあたりのくだりは最高です。同じ著者のインド版も南米版も読んだのですが、個人的にはアフリカ版の方が奇想天外ワンダーランド感があって好きでした。
ゼロからトースターを作ってみた
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
ゼロ(原料)からのトースター製作に試みる美大生のノンフィクション・ドキュメンタリー。本当にゼロからすぎて笑えます。TOKIOを凌駕するレベル。終始「そのエネルギーはどこから生まれてくるのか」と不思議でなりません。
コンゴ・ジャーニー
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
オックスフォード大出身の中年たちが、幻の恐竜「モケレ・ムベンベ」を探して、アフリカ「コンゴ」の奥地まで冒険するというノンフィクション旅行記です。害虫、寄生虫、猛獣、予言者、霊、マラリア…何から何までディープでカオス。おぞましい描写に頭がクラクラしてきます。ところどころに写真が挿し込まれているため、リアリティもあります。
モケレ・ムベンベの話よりも、コンゴの恐ろしい生物と原住民たちの暮らし、価値観、文化などが綴られているのが刺激的で貴重なのではないかと思います。深夜特急に物足りなさを感じた人はこれを読むしか無い…!
どこいったん
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
お気に入りの絵本の1つです。この表紙が素晴らしんですよねぇ…。まず、もっさりとしたクマの絵。ギョロ目が焦点が合っていない感じ、たまりません。 そしてタイトル。原作は「I want my gat back(帽子を返して欲しい)」なんですけど、これを関西弁で「どこいったん」と訳したのは天才的です。
内容はざっくりと言うと、帽子を亡くしてしまったクマが、ひたすら色々な動物に「僕の帽子知らない?」と聞いてまわっていくというものです。そして、赤い帽子をかぶっているウサギに会い…。結末はちょっとムダに残酷な気がしてなりません。一生懸命「深み」を見いだそうとしましたが、どうにも自分には無理でした。 とはいえ、キャッチーな表紙を評価して100冊のうちの1つとして選びました。
世界の可笑しな家
- 眠れなくなる度:
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タイトルの通り、世界のおかしな家の写真が並んでいます。 ただ、想像以上におかしい家ばかりです。 「なぜここに建てた…?」「なぜこの形…?」「部屋傾いてない?」というものしか載っていません。狂気を感じます。
力尽きレシピ
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サルワカ「力尽きたときのための簡単レシピ」が本になりました。残りの体力別(5%、20%、60%)ごとにレシピがカテゴリー分けされており、残りの体力が少ないほど簡単なレシピとなっています。包丁を使わない、フライパンや鍋を使わない、洗い物は極力少なく、小難しい技や調味料も一切なしの、疲れた人や料理初心者の味方になるレシピ本。料理を楽にするコツが盛りだくさんです。
物語のある広告コピー
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秀逸な長文広告コピーがまとめられている本です。長文のキャッチコピーってあまり見る機会がないのですが、時間をかけて作り込まれているだけあり、心にグッとぐるものがとても多いのです。「これ以上、太り過ぎてもこまるけど。おかわりしてくれると嬉しい。…」なんか、これだけで『仕事から帰ってきて、もりもりご飯を食べる旦那さんを見て、なんだかんだ安心する奥さん』という夫婦の日常が目に浮かびますんもんね。 楽しみながらサクサク読んでいくことができるので、息抜きにおすすめ。
学び・教養をつけるためにおすすめの本
人工知能は人間を超えるか
人工知能(AI)についての本は5冊ほど読みましたが、これがダントツ1番分かりやすく、内容も濃密な良書でした。
著者は最近メディアに登場することも多い東大の松尾教授。AIブームは過去にも数回ありましたが、その度に単なるブームで終わり、冬の時代を迎えることになりました。現代のAIも、同じく冬の時代を迎える可能性はあります。しかし、過去のAIと今のAIとでは大きく異なるポイントがあるのです。そのあたりの技術的な解説が、AIにはじめて触れる人でも分かるように易しく解説されているのが本書の最大の魅力だと思います。人工知能について学びたいのであれば、この本を最初に読むことをおすすめします。
経済ってそういうことだったのか会議
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最高に分かりやすい経済の入門書です。対談形式で、竹中平蔵氏が経済の仕組みを易しく解説します。会話の中に登場した専門用語がそれぞれページ下の脚注で補足されているのもまた良いところ。「経済用語や原理はなんとなく覚えているし、新聞も読めば分かるけど、イマイチしっくりと理解できていない気がする」という方も、この本を読めば、ハラオチする部分が多いのではないかと思います。15年ほど前に出版された本ですが、経済の根本的な仕組みの話が中心なので、現在でも通用する内容となっています。
誰のためのデザイン?
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UI(ユーザー・インターフェース)デザインにおける鉄則や考え方が、詳細に、かつ具体的に解説されています。20年以上前に書かれた本ですが、本当にたくさんのことを学ぶことができます。「ユーザがエラーを起こすのはデザインのせいである」というようなデザイナーとしての姿勢から、「ユーザーに優しいデザインとはどのようなものか」いうところまで図を用いながら具体的に解説されています。全ての「ものづくり」と「デザイン」に関わる人に一度は読んでほしい1冊です。
ノンデザイナーズ・デザインブック
デザインの基本原則をサクッと学べる名著です。あまりに名著なため、サルワカでも何度も取り上げています。この1冊を読破して、それぞれのポイントを意識するだけで、断然見やすく美しいデザインができるようになるはずです。デザイナーはもちろんのこと、デザイナーでない方でも一度は読んでおく価値があります。例えばビジネスマンなら、見やすい資料やスライド作成に繋がるはずです。
IoTとは何か
最近よく聞くIoT(アイ・オー・ティー)についての本も1冊だけ選びました。「IoTって何?」という方は、過去記事「IoTとは?事例で学ぶモノのインターネットの意味」を是非読んでみてください。
本書の著者は、その道では世界的に有名な坂村健氏。とはいえ、専門的な表現はほとんど無く、誰でも分かるように平易な言葉で「IoTの普及により、私たちの生活はどう変わるのか」が解説されています。また、IoTの普及にあたって、日本の企業がぶち当たるであろう問題点も説得力たっぷりに挙げられています。IoTに関わる方も、そうでない方も読んで損はない一冊かと思います。
富の未来
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著名な未来学者による本。内容的には「現状起こりつつある変化をデータとともに押さえながら、数年〜数十年先の未来を予想していく」といったところでしょうか。経済の理論だけではなく、当時の「科学・技術の知見」や「社会や情勢の変化」も考慮したうえでの主張となっているため、非常に説得力があります。2006年に書かれた本ですが、2017年現在の世の中をかなり言い当てている、という印象です。やや難解ですが、一度は読んでみてほしい名著です。
論理トレーニング101題
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「論理的思考力」を確実に伸ばしたければこの本がおすすめです。まるで国語の問題集のように、101題の例題を1つずつ解き、解説を読み進めることになります。網羅性が高く、この1冊を読破する(というより全問解く)だけでかなりディープな論理的思考の訓練になるはずです。1問1問取り組んでいくのには、かなりの労力が必要ですが、ライトなノウハウ本を読むより、よっぽど効果的でしょう。
なお、個人的には「考える技術・書く技術」も気に入っているのですが、複雑で非常に読みづらいので、今回の選考からは外しました。
ミクロ経済の力
ミクロ経済をかじるのであれば、この本が分かりやすくておすすめです。経済の事例と理論(数式)が繋がるような構成となっているため、数式と解説文だけが並ぶ専門書よりよっぽど楽しく読み進められるのではないかと思います。とはいえミクロ経済の原理についての本です。数式は頻繁に登場します。経済の基本的な仕組み・用語は押さえたうえで読むのが良いでしょう。
ファスト&スロー
心理学者ながら2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン博士の著書です。素晴らしいのは、紹介される研究データの多くが、日常生活における行動指針に落とし込まれている点です。本書で紹介されている人間の行動原理や陥りがちなバイアスを頭に入れておくだけで、交渉にせよ、人間関係にせよ、心に響く資料作りにせよ、自分の狙い通りに進めやすくなることもあるのではないでしょうか。
とはいえ、実生活に活かすことを期待して読むべき本ではないかもしれません。知的好奇心が刺激されて、どんどん読み進めてしまう、とてつもなく面白い本なのです。
予想どおりに不合理
こちらも行動経済学をベースにした本ですが、より「日常生活にどう活かすか」ということに主眼が置かれています。研究データがふんだんに取り上げられているものの、ファスト&スローよりもカジュアルで読みやすいのではないかと思います(大衆受けを狙って噛み砕いたという感じ)。胡散臭いマーケティングの本を読むより、この本を読んだ方が役に立つのかもしれません。
夜と霧
アウシュビッツに3年間、強制収容された心理学者が、自らの体験を淡々と綴っていきます。極限状態にも関わらず、著者は非常に冷静で、客観的に当時の体験を捉えています。文章も明快で、当時の写真を見るよりも、当時の光景が、頭の中にくっきりと浮かんでくるのです。そして「どれだけ劣悪な環境でも、精神の自由は奪われない。人間としての尊厳は守ることができる」そんなことを教えてくれる貴重な一冊です。 これぞ人生のどこかで「1度は読んでおきたい本」と言えるかもしれません。
利己的な遺伝子
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自分のコピーを後世に残す事を目的として、行動や本能をコントロールする「利己的な遺伝子」。残酷なことに、その利己的な遺伝子により、純粋だと思っていたあの行動も、冷静に考えればへんてこな人間のあの習性も、説明がついちゃうのです。 知らない(考えない)方が幸せなようなことも、いくつか載っているので注意。
考具
「アイデアはどうやって生まれるのか」を分析したうえで、システマチックにアイデアを生み出すための手法や習慣を紹介している本です。この手の本は世の中にたくさん出ていますが、おそらく本書の内容が必要十分にして最適解なのではないかと思います。
目新しさはさほど無いかもしれませんが、他の似たようなテーマの本を何冊読んでも、おそらくアイデアマンにはなれません。それよりも本書で紹介されている手法を参考に情報収集を行い、考える習慣を身につけることが重要なのではないかと思います。
タイポグラフィの基本ルール
文字のデザイン、フォントの使い方について学びたいのであれば、この本がおすすめです。1つ1つ図や実例が載っており、楽しみながら読んでいくことができます。デザイナーでなくてもこの本を読んでおくと、資料作りやブログ、チラシ、ポスターなどのちょっとしたデザインの際に役に立つのではないでしょうか。 単純に読み物としても面白いはずです。
なめらかな社会とその敵
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僕たちは物事に対して「絶対的な答えがあるものだ」と考えてしまいがちです。しかし、実際には、この世の中は、人間が到底認知できないほどに複雑に出来ているのです。本書の前半に書かれているこのあたりの話だけでかなり共感をしたわけですが、新しい通貨概念(PICSY)や新しい民主主義の形まで具体的に提案しているのが凄まじいところ。
ちなみに、著者は人気ニュースアプリ「SmartNews」の代表取締役社長の鈴木健さんです。あまり公の場には出ていませんが、とんでもない方ですね。
なるほどデザイン
デザイン初心者にも、デザインを仕事にする予定のない人にも是非おすすめしたい本がこちらです。1ページ1ページが華やかに作り込まれており、解説は分かりやすく非常にキャッチーなものになっています。「デザインを工夫するだけでこんなに魅力的に見えるんだよ」「デザインって楽しいものなんだよ」ということを教えてくれます。
ねむれなくなる宇宙のはなし
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宇宙に思いを馳せたくなったら、はじめにこの本を読むのが良いのではないでしょうか。東京大学の物理学教授「佐藤 勝彦」先生が、宇宙について分かりやすく解説してくれます(佐藤先生の本はどれも知識が無くても理解できるように易しく書かれているのです)。
内容は、主に、古くからの「人々の宇宙観」や「宇宙論」を紐解いていく内容になります。中には、エジプトや東アジアなどで考案された太陽暦なんかにまで触れられています。より現在〜未来の宇宙について知りたい人には、続編の「ますます眠れなくなる宇宙のはなし」の方が良いかもしれません。
ブラック・スワン
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リーマンショックを予言したとして話題になったベストセラー経済書です。著者は、認識論についての著名な研究者です。人間が滅多に起こらない不確かなものごとを無視してしまう傾向があります。本書では、リスクや不確かなものごとを定量化・一般化してしまうことがいかにバカバカしいことかを一貫して主張しています。人は年齢を重ねるほど、自分の経験を一般化してしまうもの。この本の内容を頭のどこかに留めておくだけでも価値はあるでしょう。PayPal創始者のピーター・ティール氏のおすすめ本ということで読んでみましたが、やはり良書でした。
進化しすぎた脳
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大脳生理学の研究者である池谷氏が「脳科学」についてに面白おかしく解説します。学生(中高生)向けの講義を本にしたということで、大変わかりやすいのです。 はじめて聞くような脳の仕組みや、神秘的な適応力、知らない方が幸せかもしれない脳の残酷な部分にも触れられています。読み進めていくと段々と「自分って何なんだろうな」と哲学的な思索に耽けたくなります。
いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン
おそらく今出版されている本の中で最も分かりやすく「ビットコイン」の原理や取引方法について解説している本です。ビットコインの取引を行わないにしても、その画期的な仕組みを理解しておく価値はあります。今後ますます目にする機会、耳にする機会は増えそうですしね。
完全独習 統計学入門
文系でも読んでおきたい統計学の本。統計学を少しでも学んでおくと、データに騙されにくくなるはずです。とりあえず、ウェブサイトで「ハンバーガー統計学入門(おそろしく分かりやすい!)」を読んでみて、アレルギーが出ないようだったら本書で学ぶのが良いかもしれません。
英語で日本紹介ハンドブック
僕は、以前は海外旅行に出るときに「日本文化を英語で紹介する本」を持ち歩いていましたが、本屋でこちらの本をふと手に取ったら ものすごく良さげだったので購入。 日本についての情報が密度濃くまとめられています。見開きの左ページには日本語の解説文、右ページには対応する英語の解説文が載っています。この構成がけっこう分かりやすいのです。
外国人と会話する中で「日本について質問をされても上手く答えられない」ということは誰にでもあることかと思います。そのとき問題となってるのは、多くの場合、英語力よりも「日本について知らないこと」なのではないでしょうか。 この本で学べることは「日本について答えられるくらいの英語力」よりも「知っておきたい日本の基本的な知識」かと思います。英語がある程度できる人にもおすすめできる一冊です。
子どものUI/UX
子ども向けのアプリやWebサイトを作るときのポイントがまとめられた本です。 なぜ100冊のうちの1つとして選んだかというと、自力で調べることが難しい貴重な情報がたくさん載っているからです。その貴重な情報とは、 1つめに「年齢によって、どこまでの機能をつけるべきか」についての明確な説明です。これって調べてもなかなか見つかるものではありません。 2つめに「豊富な事例」です。子どもがアプリを触っているところを見る機会というのは、(人によっては)あまりありません。
本書の内容は子ども向けに何かを作っている人以外にとっても有益なはずです。「操作慣れしていない子どもでも分かる」=直感的に理解できる優れたユーザーインターフェースだと思うのです。
ピュリツァー賞 受賞写真 全記録
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ピューリッツァー賞のジャーナリズム部門は、ジャーナリズムに関する世界で最も権威のある賞です。人間の尊さ、あるいは残酷さ、あるいは世界の現実を映した写真が数多く受賞しています。 虐殺の瞬間や、飢えに苦しむ人々など、非常に残酷な写真が含まれており(というよりそのような写真が殆どで)、胸をえぐられるような気持ちになります。 あまりにも衝撃的なので、ページをめくるのが怖くなります。読んだ後には虚無感を感じるかもしれません。それでも世界のどこかで、このようなことが起きているという現実を、あるいは自分の周りでも起こり得るということを、無視してはいけないのかもしれません。
人イヌにあう
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過去にはノーベル賞を受賞した動物行動学者 故コンラート・ローレンツ氏による犬(と少し猫)についてのエッセイ本です。
主に動物の本能行動について研究をされていたようですが、純粋に犬をかけがえのない生き物として愛している様子が伝わってきました。研究者らしい考察も多く含まれていますが、あくまでも内容は、ローレンツ氏の犬との日常を綴ったもの。犬の神秘性、賢さ、純粋さには改めて胸を打たれます。
最後の章では、犬との別れについて触れられています。「神が世界を創造したとき、将来、人とイヌの間に友情が結ばれることは予見していなかったに違いない」という言葉が印象的でした。 犬を飼っている人にも、飼っていない人にも、猫派の人にもおすすめできる本です。
プロの取り方 構図を極める
写真を撮る時のポイントやテクニックが多数、綺麗な写真例と共に紹介されています。「広角レンズで水平線を低く」や「川岸を分割線にする」などとにかく事例が豊富です。
テクニックの紹介が多いので、基本的な撮り方を学ぶにはやや不向きかもしれません。しかし、ある程度写真の撮り方が分かってきた人からすると、これほど有益な本は他にないのではないかと思います。何より嬉しいのは、それぞれの写真の撮影に使用した「レンズ」「絞り値」「シャッタースピード」まで記載されているところですね。
パラレルワールド
量子論やインフレーション理論、ひも理論など数多くの物理法則を数式を使わず図やグラフなどで易しく解説し、そこからタイムマシーンや、宇宙への脱出は可能か、などについてみっちり考察をしていく本です。著者はSF心のくすぐり方が分かっているようで、読んでいてとにかくワクワクするのです。これ気になっていたんだよなぁということに触れてくれるというか。SF好きには強くおすすめしたい本です。
特殊清掃
特殊清掃というブログを再編した本です。著者は、遺体処置、遺品処理、糞尿やゴミ部屋の清掃など、特殊な清掃作業に携わっている方です。といえど、グロテスクな描写は無く、美しい文章ですらすらと読んでいくことができます。かといってリアリティが失われているわけではなく、淡々と述べられる様々な「死」の形には心を大きく揺さぶられます。
いつものように、いつもの時間に、いつもの道を通っているときに、いつもと違う災難に襲われる。安直な感想ですが「人の死はいつ訪れるのか分からない」が実感として重くのしかかってくるのです。貴重な体験が綴られた名著。
サイエンス ペディア 1000
その名の通り、科学の事象や法則、用語を解説する辞典です。1から読破しようとすると心が折れるので、気になるところだけをかいつまんで目を通すのが良いのではないでしょうか。また、暇つぶしや、何か気になることがあったときに調べてみたりするのにも最適です。全体を通して「あぁ、人類は本当に数多くの発見と発明をしてきたのだな」とつくづく感じさせられる本です。
マインクラフト 革新的ゲームの真実
マインクラフトと言えば、テトリスに次いで世界で二番目に販売本数が多いゲームです。ヒカキンをはじめとして数多くのYouTuberたちが実況していりますね。やりこみ要素がハンパじゃない本当によく出来たゲームなわけですが、もとはと言うとスウェーデン人のプログラマーのノッチ氏(ニックネーム)が一人で作り始めた単純なゲームでした。
この本ではノッチ氏がマインクラフトを作るまで、そして、マインクラフトが世界を席巻するまでの過程が詳しく描かれています。マインクラフトにハマっている人orハマったことのある人なら一度は読む価値があるはずです。
あなたの知らない脳:意識は傍観者である
自分の意識こそが、自分という「船」の行動や考えを操縦していると思いきやそうではない。何を考えずとも、脳は私たちの身体をコントロールしていて、意識はそれを傍観しているだけなのである。というような主旨の本です。神経科学の話から始まるものの、深く掘り下げられるにつれて哲学的要素が色濃くなっています。自分とは一体…と虚無感に襲われるわけですが、読む前からそのこと予想していたわけですが、やはり気になって読みたくなってしまうのですよね。
デザインのデザイン
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武蔵野美術大学の教授であり、グラフィックデザイナーの原研哉氏が「デザイン」を定義していく本。デザインとは何かの説明と同時に、デザイナーが持つべき態度や考え方が触れられており、非常に参考になります。「デザインとは技能ではなく、物事の本質をつかむ感性と洞察力である」。強く印象に残った言葉です。
イーロン・マスク 未来を創る男
明日の幸せを科学する
ハーバード大学の心理学教授 ダン・ギルバート氏が人間の不合理の考え方や脳の錯覚について、いかにもアメリカンなジョークを交えながら解説します(けっこう毒舌)。面白かったのは、人間がものごとの最後の印象により、全体の良し悪しを判断してしまいがちだということ。「記憶の独特な性質の1つが、最後の場面へのこだわりだ。〜中略〜 一連のもの全体を振り返ったときの印象よりも最後にくるものに強く影響される」。これは映画や小説でも、快楽や苦痛でも当てはまるのだと。たしかにララランドもエンディングがものすごく良かったですね。
ちなみにダン・ギルバート氏のTEDでのプレゼンもとても面白いのでおすすめ。
見やすい資料のデザイン入門
美しいプレゼン資料を作るときのポイントがとても分かりやすくまとまっています。ポイントごとに分かれており、さらに「具体的にどうするべきか」が書かれています。この手の本は世の中にたくさん出ていますが、ダントツでこれが分かりやすく、情報量が多く、綺麗にまとまっているのではないかと思います。 プレゼン資料作りの際に手元に置いておくと良いのではないでしょうか。
インターネットの絵本
インターネットって何?HTMLとCSSって?WWWとは?Cookieとは?などなど、インターネットで見かける用語の仕組みについて、ものすごく分かりやすく解説されています。 タイトルの通り、絵本のようにイラストで説明されており、「専門用語を専門用語を使って解説する」というような不親切さがありません。 インターネットに少しでも関わる仕事をしている方は、一度でも読んでおくと、何かと理解しやすくなるのではないかと思います。
DUO 3.0
- 眠れなくなる度:
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- 学び度 :
英語の単語帳です。今回の100冊の中に入れるべきではないのかもしれませんが、英語の教材としてこれ以上に出来の良いものは考えられなかったので選ぶことにしました。DUOには、560本の一言フレーズが載っており、その中に「英単語」と「英熟語」がぎゅっと詰め込まれています。2000年に発売されたにも関わらず、AI(Artificial Intelligent)などについてのフレーズがあったりと、全く内容は廃れていません。
DUOについては、サルワカで以前書いた英語の勉強法についての記事で詳しく触れています。よかったら目を通してみてください。
0秒思考
この本で提案されているのは「1分」で考えたこと・思いついたことを「箇条書き」で紙に書きなぐっていくという方法。1分という制約があることで漫然と考えてしまうことを防げるうえ、集中して頭の中が整理することができます。そして、これを毎日繰り返すと考える力がつきますよ、というもの。
毎日やる必要はないような気もしますが、またA4用紙に必ずしも書く必要はないような気もしますが、何かを考えたいときに実践すると便利です。 ブログ記事の構成を考えたいなんかはこの方法が便利かも。
新しいキャンプの教科書
イマドキのキャンプをするときに必要になる知識が総まとめされている本です。キャンプの持ち物から準備、焚き火のコツ、片付けの仕方などまで。美味そうなレシピも少し紹介されています。カラフルな写真とイラストでオシャレにまとめられおり、今すぐキャンプに行きたくなります。キャンプに持っていきやすい小さめのサイズなのがまた◎。
かんたん&おしゃれなBBQレシピ
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
おしゃれで美味しそうなBBQ用レシピがふんだんに紹介されています。おつまみや缶詰を使ったものなど、比較的カンタンに作れそうなレシピも含まれているのが良いですね。また、レシピの中で「事前に仕込んでおくべき調理手順」が分かりやすくなっているのも魅力。
完成度が高いおすすめの雑誌
KINFOLK
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- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
Kinfolkはミニマルなライフスタイル雑誌です。発行頻度がそれほど高くないためか、意外と知られていないようですが、本当に素敵な雑誌なのです。Kinfolkのコンセプトは「肩ひじ張らない時間の過ごし方」。シンプルで控えめなレイアウトで、写真、アート作品、文章が並んでいます。
読んだことのある方ならなんとなく分かるかと思いますが、気持ちが透き通るような、穏やかな気持ちにしてくれる本です。
WIRED
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
「WIRED」はウェブマガジンも人気ですね。WIREDはもともとは「雑誌」という形で(米国で)始まりました。取り扱うトピックは幅広いのですが、テクノロジー系が多め。20年以上前から、少し未来のテクノロジーに焦点を当て続けているだけあり、トピックの選び方も、特集の組み方も、文章も、完成度が高いのです。何よりデザインが美しく、ペラペラとページをめくっているだけで楽しくなります。
BRUTUS
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
いつも「特集」のネタの選び方がユニークで秀逸なBRUTUS。公式サイトのバックナンバーを見て頂くと分かるかと思いますが 「このテーマで特集組んじゃうのか」というものが並んでいます。「珍奇植物」とか「朝食」とか「ZEN(禅)」とか。
その分野に関しての予備知識が無くても、スッキリ分かるようにまとめられているので興味本位でも読み切ることができます。それでいて、ときどき「旅に行きたくなる。人生を変える楽園へ」のような「結局のところ皆こういうのが好きなんだろ?」みたいな特集を組んでくるから、癪だけど毎号のように買っちゃうのです。自分の世界を少し広げてくれる雑誌です。
BIRD
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
2014年の発行を最後に、休刊中の雑誌です。 アイスランド、インド、バリなどの国、地域の魅力を特集していくというスタイルを取っていましたが、驚くべきは雑誌とは思えないクオリティです。 フィルムカメラで撮られたような写真は美しく趣きがあり、デザインは洗練されており、エッセイやインタビューは「時間をかけて書いたのだろうなぁ」という熱量溢れるものばかり。1000円程の値段なのに、分厚く、紙質までしっかりしているのだから、休刊もなんとなく頷けます(もっと値段を上げても買う人はたくさんいたよ、きっと…!)。
個人的傑作はアイスランド特集の号。文化や地元の人々の日常までみっちり取り上げており(みんな幸せそう!)、心が温まったのを覚えています。 現在は基本的に中古でしか手に入れることはできないようです。惜しい。
TRANSIT
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
前述のBIRDと同じく「ユーフォリアファクトリー」が編集を行っている旅行系雑誌。個人的にはBIRDの哀愁漂うな雰囲気が好きだったのですが、TRANSITの方も完成度が非常に高いものとなっています。
TRASIT36号より
ときどき日本の観光地の特集も組まれています。旅行好きの人であれば、ぜひおすすめしたい雑誌です。
スペクテイター
- 眠れなくなる度:
- 傑作度・名作度:
- 学び度 :
知る人ぞ知るマニアックで、ちょっとレトロさも感じる雑誌です。年に3回だけ刊行されているのですが、BRUTUS以上に特集がユニーク。「赤塚不二夫」や「発酵(ヨーグルトとかのあの発酵)」、「ホールアースカタログ」特集などなど(バックナンバー)。インタビューなども度々のっていますが、「あまり脚光を浴びることのないものの、少し変わった生活を送る人」に対してのインタビューだったりするのがまた良いところ。
個人的に気に入っているのが「野生のレッスン」特集の号です。猟師にインタビューをし、イノシシの解体・精肉方法を解説し、移住者の多い「(旧)藤野」という田舎町を特集し…と、盛りだくさん。 編集者の1冊に対する熱い想いを感じる素敵な雑誌です。ぜひ書店で見かけたら手にとってみてください。
最後に
ここまで「心からおすすめできる本」を100冊紹介してきました。少し堅い本が多くなってしまいましたが、読んでみればどれも間違いなく「読んでよかった」と思えるはずです。本当に思い入れの強い本ほど、感想を書くのが難しいものですね。選書の参考になれば幸いです。
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