犬の分離不安症を治すためにした16のこと(体験談)

分離不安が治った

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うちで飼っている犬は小さい頃、分離不安症にかかっていました。

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もともと迷子犬で、色々な場所・色々な人のもとを点々としていたため、「また、どこか別のところに連れて行かれるんじゃないか」と怯えていたのかもしれません。

BEFORE

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我が家に来たばかりの頃は、1分でも一緒にいないと大声で鳴き始めていました。トイレにまで付いてきて、一人ぼっちにするとパニックに陥りうんちを漏らす事態。

これは「分離不安症だ」と気付き、獣医さんに相談しながら、普段の過ごし方やしつけの仕方に色々と工夫をこらしました。

AFTER

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その甲斐があって少しずつ分離不安が治り、最近ではこの堂々っぷり。私たちが出かけると分かると、自らサークルの中に入ることもあります。

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そこで今回は分離不安を克服するために実行したことをまとめて紹介したいと思います。

犬の分離不安とは?

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分離不安とは、飼い主から引き離されることでパニックに陥り、激しく吠えたり、モノを破壊したり、間違った場所に排泄をしてしまったりする症状です。

症状

分離不安の症状としては、主に以下の4つの行為が挙げられます。どれも飼い主から引き離されたときに起こります。

  1. 過剰に吠える:飼い主が外出すると大声で吠え続ける
  2. モノを破壊する:ベッドやクッション、ペットシーツなどをボロボロにする
  3. 間違った場所に排泄する:大惨事に…
  4. 自傷行為:自分の尻尾や足などを激しく噛む

うちの犬の場合、④以外どれも当てはまっていました。我慢させて慣れさせようにも、②〜④については放っておくわけにはいきません。

飼い主がいるときの症状

分離不安の子の場合、飼い主が家にいるときであっても、なかなか落ち着くことができません。

  • 飼い主が動くと、常に目で追う
  • トイレにまでついてくる
  • 膝のうえに座ろうとする
  • サークルにどうしても入ろうとしない
  • 飼い主が見えなくなると鳴く

分離不安の原因

次の2つが原因となることが多いようです。

  1. 飼い主や環境の変化
  2. 飼い主が常に一緒にいる/過剰に甘やかしている

①については「元々の飼い主から離され、別の飼い主に譲渡されるという環境変化や経験」が分離不安症につながることがあると言われています*1。 ②はよく言われることですね。この他にも「騒音」や「留守番中のトラウマ経験」などが原因としては考えられます。

分離不安の治し方:実行した16のこと

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ここからは我が家のワンコの分離不安がどのように治ったかを説明していきます。

その1:それでも夜は一緒に寝ない

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どれだけ泣こうが、騒ごうが、おもらしをしようが、夜にはサークルに入って寝てもらうことを徹底していました。ただ、飼い始めた頃はいつまでも泣き止まなかったので、1〜2週間ほどは私たちがサークルの隣に布団を敷いて寝ていました。だんだんとサークルと布団の距離を離していき、最終的には隣の寝室に移りました。

その2:吠えても反応しない

どれだけ吠えても、ピクリとも反応しないようにしました。サークル内でおもらしをしてしまったときには「吠える=構ってもらえる」と結び付けられないように、落ち着いてから片付けをするようにしました。

その3:犬用の音楽を流す

YouTubeで犬がリラックスできるような音楽がたくさん見つかります。なかには3時間以上の長さのものもあります。うちの犬には、なかなか効果がありました。

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「音楽がかかる=お留守番」とネガティブに結び付けられないように、家で一緒にいて落ち着いて寝ているときにも流していました。「音楽がかかる=飼い主の近くで寝ている」という結びつけをしようとしたわけです。

その4:出かける前に十分に運動させる

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出かける前に思いっきり運動させました。まだワクチンの接種が終わっておらず、散歩には行けない頃だったので、ボール遊びなどでエネルギーを発散させていました。

その5:出かける30分前からは落ち着かせる

ただし、遊ぶのは出かける30分前に終了。興奮状態のままお留守番させると特に暴れてしまうので、30分は落ち着かせるようにしました。

その6:おうちを洞窟っぽくした

うちにワンコが来たのは冬。

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コタツの中にいるのが好きな子なので、サークル内のおうち(クレート)も洞窟っぽくしてあげました。

これは有名なドッグトレーナーのMartin Deeleyさんがおすすめしていた技。

その7:ごはんはサークルの中であげる

「サークル=お留守番する場所」とならないように、また「サークル=楽しいことがある場所」となるように、大好きなごはんはサークルの中であげるようにしました。

その8:何も言わずに出かけ、何も言わずに帰って来る

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こちらもMartin Deeleyさんが書いていたことです。当たり前のことのように静かに家を出て、当たり前のように帰ってくるようにします。目を合わせたり「言ってくるね」などと撫でたりすると、犬の不安が募ることになります。「お留守番=特別なことじゃない」と思わせることが大切ですね。

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まぁ、サークルに入ってもらうのが一苦労で、その時点で特別なことになっちゃうことも多々ありましたが。

その9:帰ってきても落ち着くまでは構わない

帰ってきても、落ち着くまではサークルの中から出さす、構わないようにしていました。すぐサークルを開けたくなっちゃうんですが、2〜3分の我慢。

その10:プチお留守番を繰り返す

これが一番効果があったように感じているトレーニングです。プチお留守番練習を何回も繰り返しました。1分だけ私たちが外に出て、ひとりにさせる。これを繰り返し「出かけても帰ってくるものなんだ」と認識してもらうようにしました。はじめは1分、次に5分、慣れてきたら10分、というように少しずつ時間を長くしていきました。

その11:膝の上で寝させない

うちの犬は来たばかりの頃、常にひざの上で寝ようとしてきました。可愛かったのでいつも受け入れていたのですが、これも犬の独立心を養ううえでよくないと聞き、改めました。

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と言っても、いきなり拒否するわけではなく、眠り出したら、スッと下ろしていたりしました。繰り返しているうち乗ってこなくなりました。

その12:湯たんぽを置いてあげた

母犬の温もりを再現するのに「湯たんぽ」が良いということで購入。サークルの中にブランケットやベッドと一緒に入れてあげました。

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仮に噛むことがあっても中身が出なさそうなドギーマンの湯たんぽを購入。念のため、この上にさらに1枚薄いカバーをかけて使っていました。

その13:飼い主の衣類を一緒にサークルにいれた

飼い主の匂いを嗅ぐと落ち着くということで、出かける直前まで身につけておいた「腹巻き」や「靴下」などをサークルの中に入れてあげていました。

その14:見守りカメラを設置した

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AtHome Cameraというスマホ・タブレットアプリを使って、外出時にもワンコの様子をいつでもチェックできるようにしました。音までちゃんと拾ってくれます。

このアプリ、無料で簡単に使うことができるのでとてもおすすめです。下の記事で詳しい使い方を解説しています。

その15:Kongというオモチャを入れてあげた

KONG(コング)とは、中に「おやつ」や「ごはん」を入れることができるおもちゃです。匂いが漏れるので、かなり反応してくれます。それなりに長時間遊ぶことができるのでお留守番に最適なのです。

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お留守番のときだけ登場するワンちゃんの大好きなおもちゃを用意しましょう。

その16:なるべく早く犬との信頼関係を作るようにした

根本的な解決策は「飼い主は帰ってくるんだな」「飼い主のために我慢してやるか」という信頼関係を作ることだと思います。そのため、一緒にいられるときにはいっぱい遊び、良いことをしたときにはちゃんと褒めてあげるようにしました。

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ここまで紹介してきた16のことを実行し、少しずつ愛犬の分離不安症は治っていきました。数日でどうにかなるものではないので、焦らずにゆっくりと治していくことが大切だと思います。

分離不安の治療薬もある

改善の傾向が見られない場合には、獣医さんに相談してみましょう。薬を用いた治療を提案される場合もあるかと思います。

フェロモン物質DAP

獣医師スコットミラーさんの著書「子犬の健康生活」によると、DAP(Dog Appeasing Pheromon)という犬鎮静用のフェロモン物質が分離不安に効果的だそうです。寝具などにスプレーして使います。

DAPとは? 雌の乳腺付近の皮脂腺で作られる特有のフェロモンが発するにおいをかぐと、子犬は落ち着きます。このホルモンを合成し、スプレーや散布剤にした製品があり、神経質な犬に対して同じ効果が得られます。 この犬鎮静フェロモンは、母犬にすり寄ったときの幸福感を呼び起こすため、新しい家にやってきたばかりで神経質になっている子犬を落ち着かせるのに効果があります。 通常は動物病院で入手できます。

薬は根本的な解決策ではない

薬は一時的に症状を抑えるだけのもので、根本的な治療法ではないことに注意しましょう。

獣医は、興奮を落ち着かせるための薬物を処方するかもしれませんが、それは治療法ではありません。薬物は、完治のためのリハビリを支援する1つの方法に過ぎません。


Martin Deeley

参考にした本や記事

最後に、愛犬の分離不安症を治すうえで参考にした本や記事を紹介します。

本:犬と幸せに暮らす方法55

犬と幸せに暮らす方法

世界的に有名なドッグトレーナー「シーザー・ミラン」さんの著書。しつけの心構えや問題の対処法について書かれた本ですが、分離不安についても触れられています。犬を飼い始めてからすぐに読むことができて良かったと感じています。

記事: Dealing with dog separation anxiety

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ドッグトレーナーMartin Deeleyさんの書いた記事。英語ですが、とても参考になります。英語が得意な方は是非。

動画:Dog separation anxiety

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こちらはシーザー・ミランさんが分離不安の対処法について解説しているレッスン動画です。字幕がないのが残念。

この記事を書くにあたって、参考にした文章をまとめておきます。

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