エアコン節電のコツ!「冷房より除湿の方が電気代が高い」は勘違い?

エアコン節電のコツ・冷房と除湿

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「エアコンの除湿モードは、冷房モードよりも電気代が高い」という噂、聞いたことはありませんか?実は、除湿の方が安い場合もあるのです。

ざっくり解説
ワケワカメちゃんの顔(疑)
ワケワカメちゃん
ジメジメして暑いなあ・・・。エアコンで除湿したいけど電気代高いし、冷房モードでつけておこうかなー。
サルワカくんの顔(通常)
サルワカくん
このエアコンなら除湿の方が電気代安いですよ。
ワケワカメちゃんの顔()
ワケワカメちゃん
そうなの?!除湿は冷房より電気代が高いって聞いたことあるけど・・・
サルワカくんの顔(通常)
サルワカくん
除湿には実は2種類あって、名前はいろいろですが「弱冷房除湿」と「再熱除湿」というのがあるんです。「弱冷房除湿」なら、冷房モードよりも電気代は安いですよ。「再熱除湿」だと高いですが。
ワケワカメちゃんの顔(通常)
ワケワカメちゃん
電気代は「弱冷房除湿<冷房<再熱除湿」ってことね。どうして電気代に差があるの?
サルワカくん
湿度を下げるためには空気の温度を下げる必要があり、「弱冷房除湿」は冷えた状態の空気を、「再熱除湿」は温め直した空気を室内に戻すんです。「再熱除湿」では温め直す分の電気代がかかって高くなるんです。
ワケワカメちゃんの顔(嬉)
ワケワカメちゃん
なるほどねー。うちのエアコンは「弱冷房除湿」のタイプなのね。
サルワカくんの顔(通常)
サルワカくん
そうです。安いエアコンは「弱冷房除湿」のものが多いですよ。以下で、除湿の仕組みや除湿タイプの見分け方、「再加熱除湿」のメリットなど詳しく解説しますね。
くわしく解説

1.どうやって除湿するの?

除湿、つまり空気の湿度を下げるためには、空気を冷やす必要があります。空気には「飽和水蒸気量」というのがあり、どれくらい水蒸気を蓄えていられるかという限界値が決まっています。

飽和水蒸気量って?

空気の温度と水分量

飽和水蒸気量とは、「ある温度の空気がどれくらい水蒸気を蓄えられるか」という値です。温度が下がると飽和水蒸気量は減少します。つまり、「温度が下がると空気は水蒸気を蓄えていられず、水蒸気はあふれて水滴になる」というわけです。

飽和水蒸気量と温度

飽和水蒸気量と温度の関係をグラフに表すと、このようになります。冷蔵庫から出したての瓶の周りに水滴がつく原因ですね。瓶の周りの空気が冷えて水蒸気が水滴に変わり、瓶の表面が濡れる、というわけです。

サルワカくんの顔(通常)
サルワカくん
湿度」とは、この飽和水蒸気量に対してどれくらい水蒸気が含まれているかの割合のことです。

エアコンの除湿の仕組み

空気から水分を除くためには、この「飽和水蒸気量が温度で変化する」のを利用して、「空気の温度を下げて水蒸気を蓄えられなくして、水滴を排出する」という方法をとります。

  1. エアコン内に部屋の空気を取り込む
  2. エアコン内で空気を冷やす
  3. 水蒸気が水滴に変わるので室外に排出する
  4. 湿度を下げた空気を部屋に戻す

ざっくりした除湿の流れはこのようになっています。③で排出された水滴によって、ベランダの室外機付近が水浸しになっていることがあるかと思います。

除湿の仕組み

2.弱冷房除湿と再熱除湿の違い

除湿の仕組みを理解すると、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の違いは簡単に理解することができます。

弱冷房除湿とは

弱冷房除湿は、除湿の仕組みの④である「湿度を下げた空気を部屋に戻す」ときに、空気を冷たいままにするモードです。

弱冷房除湿

湿度を下げるためにエアコン内で空気を冷やしますが、その冷えた空気をそのまま部屋に送りこむのです。よって、エアコンからはひんやりした空気が出てきて、部屋が涼しくなります。

再熱除湿とは

再熱除湿は、「湿度を下げた空気を部屋に戻す」ときに、空気を温め直すモードです。

再熱除湿

湿度を下げるために冷やした空気を、そのまま部屋に戻さずに、エアコン内で温め直してちょうどよい温度にしてから、部屋に送り込みます。よって、部屋が肌寒くならずに、湿度は低く温度はちょうどいい状態になるのです。

電気代の違い

弱冷房除湿は冷やした空気をそのまま戻すので、「冷やすだけの電気代」で済みます。しかし、再熱除湿は「冷やす電気代+温める電気代」がかかるため、再熱除湿は弱冷房除湿よりも電気代がかかるのです。

さらに、再熱除湿は「冷やす」と「温める」という2種類の動作をするので、単純に冷やすだけの冷房よりも電気代が高くなります。

よって、電気代は「弱冷房除湿<冷房<再熱除湿」と高くなっていきます。「除湿の方が冷房よりも電気代が高い」というのは、正しくは「再熱除湿だと冷房よりも電気代が高い」、というわけです。

3.再熱除湿のメリット・使うタイミングは?

再熱除湿のメリット

同じ「除湿」が目的のモードなのに、弱冷房除湿よりも電気代がかかる「再熱除湿」。一見必要なさそうなモードですが、エアコンから出てくる風の温度がちょうどよいため、「部屋が冷えすぎない」というメリットがあります。

使うべき時期は?

梅雨の時期や秋の雨の日は、気温がそこまで高くなくてもジメジメして気持ちが悪いことがあります。ここで弱冷房除湿を使うと、部屋が肌寒くなってしまいます。再熱除湿を使えばそのようなことはありません。

再熱除湿がおすすめな人

まず、冷え性の方は、再熱除湿がおすすめです。部屋が肌寒くなるのを防ぐことができます。

また、冷房の風でお腹を壊しやすい方にもおすすめです。暑い日の不快感は、湿度が下がるだけでかなりマシになります。ひんやりした空気は苦手だけどなるべく快適に過ごしたい、という場合は再熱除湿がおすすめです。

4.弱冷房除湿と再熱除湿の見分け方

リモコンにあるモードの名前から判断するという方法もありますが、かなり高いエアコンでないとただただ「除湿」か「ドライ」という表示になっています。

一番手っ取り早いのは、説明書を見ることです。なくした場合でも、Web上に説明書を掲載しているメーカーさんもいます。一度検索してみるとよいでしょう。

また、安いエアコンはだいたい弱冷房除湿一択である傾向が見られます。いくらくらい、というのは断言が難しいですが、とりあえず我が家の6畳5万円のは弱冷房除湿です。10畳10万円のも弱冷房除湿でした。ご参考まで。

まとめ

除湿の方が冷房よりも電気代が高いと一概に言えません。機能を理解し、うまく使い分けて上手に節約しましょう。

まとめ
  • 除湿は「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2パターンある。
  • 空気を冷やして湿度を下げるが、このときに冷たいまま空気を送り出すのが「弱冷房除湿」、温めなおした空気を送り出すのが「再熱除湿」。
  • 電気代を比較すると「弱冷房除湿<冷房<再熱除湿」となり、「除湿の方が冷房より電気代が高い」とは一概には言えない。

参考

参考
ダイキンHP 空気の学校
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