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食卓に並ぶ卵。卵を割ってふと「これがヒヨコになるの…?」と気になったことはありませんか?ゆで卵を食べながら「ひよこになるはずだったのに…ごめんよ…」と想いを馳せたことはありませんか?
この記事では、疑問に思ったことがあるけれども別に調べるほどではなかった卵に関する素朴な疑問に対する答について、解説していきます。
1.ひよこになるのは卵のどこの部分?
卵をぱかっと割って出てくるのは、ぱっと見て「白身」「黄身」「どろっとした白いひも状の何か」です。結論から言ってしまうと、ひよこになる部分はこれらではありません。
実は、黄身をよーーーく見ると、数ミリの輪のような白っぽいものがあります。これを「胚盤」といい、ここがかくかくしかじかを経てひよこになります。
黄身(卵黄)や白身(卵白)は、胚盤(ひよこ)が成長するための栄養でしかありません。
なお、「胚」という言葉もありますが、胚盤が成長して(卵分割して)いくと胚になります。胚盤→胚→ひよこ、というわけです。
ちなみに、「どろっとした白いひも状の何か」は「カラザ」という名称で、たまごの中心に据えるために卵黄を支えるという役割があります。食べてももちろん平気です。
2. 卵黄と卵白、なんで2種類も入ってるの?
卵を割ると、卵黄と卵白の2種類があります。これはどちらも胚盤がひよこになるための栄養です。ではなぜ、2種類も栄養があるのでしょうか。
「卵黄がひよこになるから、卵白が栄養だ!」というのがよくある勘違いです。先ほども述べたとおり、卵黄の表面にある胚盤がひよこになるのであり、卵黄はひよこにはなりません。卵黄も卵白も栄養なのです。
2-1.卵黄と卵白の構成成分の違い
卵黄と卵白、見た目があれだけちがうのだから、もちろん構成成分も異なります。
卵黄の構成成分
卵黄は半分が水でできており、残りは脂質とたんぱく質でできています。だからもったりしているのですね。
卵白の構成成分
卵白は約9割が水、残りがたんぱく質や、細菌の侵入を防ぐ成分等となっています。なので、あれほどどろどろになります。
2-2.卵黄と卵白の役割の違い
卵黄、卵白ともに胚盤がひよこになるための栄養になるのですが、それぞれにプラスαで役割があります。
卵黄の役割
卵黄は、胚盤の栄養になることに加え、ひよことして孵ったあとの栄養分となる役割があります。胎盤がひよこになるまでに、一部は栄養として消費されます。しかし大部分は、胚盤が成長した「胚」に取り込まれ、ひよことして孵ったときにはひよこのお腹の中にほぼそのまま存在しているのです。
なぜそうなるかというと、ひよこは卵から孵った直後、消化器官が安定しないためにしばらく餌を食べられません。よってその間、お腹の中に溜めておいた卵黄の栄養で生きるのです。よくできていますよね、、、すごい、、、
卵白の役割
卵白は、胚盤の栄養になるだけでなく、胚盤を雑菌から守る役割もあります。卵白の中には「リゾチーム」と呼ばれる酵素があります。このリゾチームが優れもので、細菌をやっつける働きがあり、医薬品にも応用されています。なお、胚盤が胚になる頃には栄養として使われてきってしまい、なくなります。
2-3.卵黄と卵白のちがい まとめ
- 約5割が水、残りがたんぱく質と脂質
- ひよことして孵った直後の栄養分として、胚のうちにお腹に溜め込まれる
- 約9割が水、残りがたんぱく質と酵素
- 胚盤が胚になるための栄養のほか、雑菌をやっつける働きもある
このように、卵黄と卵白はそれぞれ役割があり、栄養分としての力を発揮するメインのタイミングも「胚盤が胚になるまで」か「ひよこになってから」で異なってきます。うまく2種類を組み合わせているというわけです。
3. ひよこになりかけの卵を食べる?!
日本では習慣がありませんが、ひよこになりかけの卵を食べる習慣がある国が、東南アジアにはあります。たとえばフィリピンには、心臓や頭が形成しはじめた卵を食べる習慣があり、お店で売っています。生もゆでもあります。種類もいろいろあり、中のひよこの形成段階が異なります。
見た目はお察しのとおり、相当グロテスク。。。しかしフィリピンでは精力剤としても重宝されているようです。
なお、実際に「ほぼひよこ・ゆでバージョン」を食べた友人の感想は、「チキンとゆでたまごの中間の味」「くちばしが口の中で刺さって痛い」でした。
まとめ
以上、ひよこはたまごのどの部分か、卵黄や卵白はなんなのかについて解説しました。黄身がひよこになると思っている方は結構多いので、正しい知識を身につけましょう!(役に立つかはわからない。)
- 卵黄表面の「胚盤」がひよこになる
- 卵黄と卵白は、胚盤がひよこになるための栄養分
- 卵黄はお腹に溜め込まれ、ひよこが餌を食べられない間の栄養となる
- 卵白は胚盤がひよこになるための栄養であり、雑菌の侵入も防ぐ