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たまごを毎日産んでくれるニワトリ。今や人間(の食卓)にとって必要不可欠なニワトリと言えますが、養鶏場にいるのは基本的にメスのニワトリばかりです。
では、オスのニワトリはなにをしているのでしょうか。その運命は…?「オスのニワトリはたまごを産まないのか?」という疑問についても合わせてお答えします。
1. オスの鶏はたまごを産まないのか?
結論からいうと、人間の男性が子どもを産まないように、 オスの鶏はたまごを産みません。たまごを産むのはメスの鶏のみであり、養鶏場の鶏は基本的にすべてメスの鶏です。※ 有精卵を生産する養鶏場は除く
なぜオスの鶏はたまごを産まないかというと、たまごを産むために必要な器官をもっていないからです。卵黄をつくる「卵巣」、卵白や殻をつくる「卵管」は、メスしかもっていません。そのため、オスの鶏はたまごを産むことができません。
2. オスの鶏はどこにいる?
たまごを産むことができないオスの鶏は、基本的に養鶏場にはいません。ではどこにいるのかというと、 「種鶏場」というところにいます。
種鶏場は、たまごではなく、 たまごを産むためのニワトリを育てる場所です。種鶏場でオス鶏とメス鶏が交尾し、有精卵(ひよこが孵るたまご)がメス鶏から産まれ、それを孵化させてメスのひよこを育て、鶏にします。その鶏が養鶏場に送られ、食用のたまごを産んでくれるというわけです。
養鶏場には1羽もオス鶏がいないのか?
スーパーに並んでいる普通のたまごは、ひよこが孵らない「無精卵」といい、メス鶏さえいれば生まれます。そのため、 養鶏場にはメスしかいないのです。
しかし、ひよこが孵るたまごである「有精卵」を生産する養鶏場もあります。有精卵はオスとメスが交尾しなければ生まれません。よって、 有精卵を生産する養鶏場には少数ですがオスもいます。必ずしも全養鶏場でメスしかいない、ということはありません。ただ、有精卵の生産にはより多くのコストがかかるため、あまり生産はされていません。
有精卵、無精卵については以下のリンクをご覧ください。
3.オスのひよこはどうなるのか?
一般的に食用として流通しているたまごは、メスのみがいる養鶏場で産まれています。オスがいる養鶏場は数が少なく、いても少数、また種鶏場もそんなにたくさんあるわけではありません。
また、現時点では、「メスのひよこになるたまごだけ産ませる」という技術はありません。
オスのひよこは殺処分
ひよこの性別は、生まれたあとに判別します。ひよこがオスだとわかると、基本的には残念ながら 殺処分され、肥料や飼料の原料とされます。。。肉用に育てることもしません。鶏肉として出回るのは、たまごを産む能力が落ちた鶏です(不健康、とかそういうわけではなく健康体です)。よって、オスのひよこは処分されてしまいます。
たまごの状態で雌雄判別できないのか?
最近までは、ひよこが生まれるまで、オスかメスかは判別できませんでした。しかし先日、 たまごの状態のままひよこの雌雄を判別する安価な方法が開発されたとの発表がありました(2016.12.16)。温めて4日目のたまごに赤外線レーザーを当て、胚(ひよこになる前の状態)の血液の光り具合でオスかメスか判別する、というものです。
温めて4日目のたまごなら、中にいるひよこはまだ痛みを感じることがないので、動物福祉の観点的にも優れた方法です。
- オスの鶏はたまごを産まない
- オスの鶏は、食用たまごを産む鶏を生産する「種鶏場」や、「有精卵」を生産する養鶏場にいる
- オスのひよこは生まれてすぐ飼料や肥料にされてしまう
- たまごの状態で雌雄判別する方法が開発され、動物福祉の観点から期待されている