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「ペイオフ」とはどのような制度なのか、また、ペイオフが発動したときに損をしないための対策も解説します。
1. ペイオフとは?
ペイオフとは、簡単に言うと「銀行が経営破綻したときに、預金者のお金を1000万円までなら確実に保証してくれる制度」です。1000万円までなら、お金を預けていた銀行が倒産しても全額払い戻されるということです。
本当に1000万円保証してくれるのか?
経営破綻した銀行が、本当に1000万円も払い戻せるのでしょうか。実は銀行は、預金保険機構の「預金保険制度」という「いざというときのための銀行の保険」に強制加入しています。
預金保険機構は加入者(銀行)から保険料を支払ってもらい、資金を集めます。銀行が経営破綻した場合、この資金を使って、預金保険機構が預金者にお金を支払います。
よって、銀行の財務状況が絶望的であっても1000万円は預金者に戻る仕組みとなっています。
ペイオフの注意すべき点は?
1000万円までは上記の仕組みで保証されますが、1000万円を超えた分は必ずしも保証されるわけではありません。
1000万円を超えた分は、経営破綻した銀行の財務状況に応じて払い戻されます。したがって、銀行の財務状況が絶望的、あるいは預金額がかなり大きい場合、預金全額が戻ってこない場合があるのです。
複数口座を持っている場合は?
個人事業主の事業用口座とプライベート用の口座など、同一名義で複数口座を持っている場合は合算されます。
2つの口座に800万円ずつ預金していた場合は合算して1600万円とされ、600万円は保証対象外となります。
家族でそれぞれ口座を持っている場合は?
家族、例えば夫婦の場合は別名義なので、合算されません。
夫婦それぞれ、800万円ずつ保証されます。
ただし、明らかに名義のみ貸していると判断される場合は、合算されてしまいます。
2. ペイオフ対策はどうするべきか?
どんな場合にペイオフ対策すべき?
預金1000万円までは保護されるので、預金額が1000万円を越えた場合に対策するとよいでしょう。
対策1:預金の分散
複数の銀行で口座を作って、それぞれの銀行に1000万円以下になるように預け分けするのが簡単です。
同一銀行内では合算されてしまうので、他銀行で口座を作ればOKです。
銀行が近くにない場合は、ネット銀行もおすすめです。自宅にいながら簡単に口座を開設することができます。
対策2:決済用預金への変更
「決済用預金」という「利息がつかない代わりに預金全額を保護してくれる預金口座」に変更するという手段もあります。
利息はつきませんが、全額保護してくれるので安心です。(銀行の利息なんて微々たるものですし)
なお、各銀行で微妙に名称が異なります。預金先の銀行に「決済用預金に変更したい」と伝えれば、簡単に手続きできます。
預金額が大きいけれど預け分けは面倒、という場合は決済用預金に変更するのがおすすめです。
3. 一番おすすめのペイオフ対策
理由1:ペイオフ直後は口座が凍結されるため
もしペイオフが発動してしまった場合、1000万円は保証されるので口座にお金は残ります。しかし、ペイオフ発動直後は銀行の財務整理等が行われるため、一時的に口座が凍結されて預金の出し入れができなくなります。
預け分けして他の銀行にお金があれば、そちらからお金を引き出すことができます。生活費がすぐに必要なのに下ろせない、ということを防ぐためにも、預金を分散させるのがおすすめです。
理由2:銀行によっては利子が多少付くから
銀行預金の金利は一般的に0.01%程度ですが、銀行によっては口座開設のキャンペーンなどをうまく利用すると0.1%程になることもあります(主にネット銀行)。もし金利が0.1%なら、1000万円を1年預けたら約1万円になります。
決済用口座では金利が0になってしまうので、預け分け先にネット銀行などを選んでうまくキャンペーン等を利用し、高い金利になるようにするのがおすすめです。
まとめ
ペイオフが発動すると、1000万円以上のお金は保証対象外となります。預金額が大きくなったら、預け分けや決済用預金などを利用して、確実にお金を守れるように備えておくのがおすすめです。
おすすめペイオフ対策
- 預金を分散させる(高金利のネット銀行がおすすめ)
- 決済用預金に変更する
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