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WordPressのバックアップって分かりづらいんですよね。「本当に全部バックアップ取れてるのかな?」「カスタマイズ時にはどこまでバックアップを取ればいいのかな?」と混乱してしまう方も少なくないはず。
1. WordPressのバックアップの考え方
WordPressでバックアップを取っておきたいものは、主に以下の4つになります。
この4つのバックアップをしっかり取っていれば、最悪全てを失ったとしても、ほとんど元通りに復活できるはずです。一度、箇条書きに並べてみます。
- wp-content themes
インストールされているテーマは全てここに。 - wp-content uploads
WordPressでアップロードした「画像」などのメディアがここに。 - wp-content plugins
インストールされているプラグインのデータは主にここに。 - データベース
記事の内容/タイトル/公開日/カテゴリー情報などはここに。
①〜③は「 wp-content」というディレクトリ(フォルダー)の中に入っています。データベースだけは、離れた場所に保管されている&保存の仕方も少し違う…というイメージですね。
参考:それぞれの重さ
少し見る角度を変えて、それぞれの「容量の重さ」を見てみましょう。もちろん記事の投稿数や、画像をどのくらい使うかによって大きく異なります。あくまでも傾向ですね。
①テーマ(themes)のデータは数MB〜数十MBと比較的軽めです。そのため、使用中のテーマのデータをダウンロードするのであれば、1分もかからないのではないかと思います。
②画像など(uploads)は、ブログの継続期間や、画像の使用頻度によって大きく異なりますが、場合によってはものすっごーい重くなります。下手すると数十〜数百GBバイトなんてことも。これを頻繁にバックアップしていては、それだけでサーバーの転送量がパコーンと行ってしまいかねません。
③プラグイン(plugins)については、入れているプラグインの数と種類によって大きく変わります。とはいえ、プラグインは最悪データが消えても、そこまで致命的になるものはあまり無いのではないかと思います(色々と保存していたプラグインの場合には困るかもしれませんが)。
④データベースについては、主に文字の形で保存されているものなので、個人ブログであれば◯ギガバイトという単位になることは珍しいはずです。ただし、記事の数・文字数・その他の設定項目が多ければ、数百MBくらいは行っている場合もあります。
バックアップを取るタイミング
ここまでの内容をふまえて、WordPressのバックアップの方針を軽くまとめてみました。
日頃のバックアップ
- ①テーマはデザインのカスタマイズを行う前にバックアップ
- ②〜④メディア/プラグイン/データベースは、プラグインにより定期的に自動バックアップ①もこの時に合わせて自動バックアップするのが良いですね
また、この他にも以下のようなタイミングではバックアップを取るようにしましょう。
こんなときも
- テーマ更新時 現在使用中のテーマ(①)をバックアップ
- WordPressのバージョンアップ時 できれば全てバックアップ(メディア(②)は不要かも)
- プラグインの更新時 プラグイン(③)をバックアップ
ここからはパターン別にバックアップの取り方を解説していきます。
2. テーマをカスタマイズする時のバックアップの取り方
2-1. その前に:カスタマイズはFTPソフトで
WordPressでカスタマイズを行うときには、面倒でもFTPソフトを使うのがおすすめです。管理画面からテーマファイルを編集すると、問題が起きた時の対処が難しいからです。
2-2. カスタマイズ前にテーマファイルをまるごとPCに保存しよう
さきほども触れましたが、テーマのファイルは「 wp-content」の中の「 themes」内に入っています。
「 themes」の中にはWordPressにインストールされているテーマがフォルダー別に入っています。子テーマもこの中に入っています。
カスタマイズを始める前に、手をつけるテーマのフォルダーをまるごとダウンロードしておきましょう(子テーマを触るなら子テーマのフォルダーをダウンロード)。
具体的な手順
ほとんどのFTPソフトでは、左側にパソコン側のファイル、右側にサーバー側のファイルが表示されているかと思います。
パソコン側で保存先となるフォルダーを開いたうえで、サーバー側からテーマフォルダーをまるごとドラッグします。これで、ドラッグしたフォルダがまるごとパソコンにコピーされます。
心配であれば、themesごとダウンロードしておいても良いかと思います。
復元したいとき
「バックアップを取ったときの状態に戻したい」というときには、①上書きしたいファイルを削除してから、②パソコン側からサーバー側にドラッグをすればOKです。これで元通りになりますね。フォルダー上にドラッグすると、そのフォルダーの中に入ってしまうので、何もないところに向かってドラッグしましょう
2-3. テーマを更新するときにも上記のバックアップを
テーマの更新を行うときにも、テーマのフォルダーをまるごとパソコンに保存しておくようにしましょう。もし更新後にエラーが発生しても、元のデータに戻すことができます。
2-4. できれば編集前にそのファイルをバックアップ
できれば、それぞれのファイルを編集するときに、そのファイルを個別にバックアップを取っておくことをおすすめします。例えば「 functions.phpを編集する前に、そのファイルだけパソコンに保存しておく」というわけですね。何かあったらすぐに戻せるようにしておくに限ります。
ファイル単位のバックアップ手順もさきほどと同じで、サーバー側⇒パソコン側へとドラッグするだけです。
3. プラグイン更新時のバックアップ
プラグインのファイルが書き換わることにより、エラーが生じてしまうこともあります。できれば、WordPress全体のバックアップを取っておくのが望ましいのですが、アップデートの度にそこまではしていられませんよね…。
というわけで、最低限「plugins」のバックアップを取っておくのが良いかと思います。
4. BackWPupで定期的に自動バックアップを取る
カスタマイズや更新をしないときにも、定期的に自動バックアップを取るようにしましょう。何が起きるか分からないですからね。
4-1. プラグインを使うと楽
自動バックアップにはプラグインを使うのが楽です。いちばん有名なのは「BackWPup」ですね。このプラグインを使うと、テーマや画像などのファイルだけでなく、データベースもバックアップしてくれます。
ここからは、BackWPupで定期的に自動バックアップを取る方法を解説します。
4-2. BackWPupをインストール
まずはWordPress管理画面の[プラグイン][新規追加]から「BackWPup」と検索しましょう。
おそらく一番にヒットすると思うので、これを[今すぐインストール]します。
インストールができたら、プラグインを「有効化」しておきましょう。
4-3. BackWPupのジョブを追加
管理画面の左下に「BackWPup」というメニューが追加されています。ここにカーソルを当てて[新規ジョブを追加]をクリックしましょう。
この「ジョブの追加」というのは「バックアップを取っておいてね」という仕事を新しく登録しておくことです。この手続きをしないとバックアップは取られないので、ご注意ください。
4-4. 一般設定
「一般」の設定画面が開くので1つずつ見ていきましょう。
このジョブの名前は「週1全体バックアップ」など分かりやすいものにしましょう。
このジョブは…は、デフォルトのままでOKですが「データベース」「ファイル」「プラグイン」の3つにチェックが入っていることを確認しておきましょう。
下にスクロールするとアーカイブ形式(保存される圧縮ファイルの形式)を選ぶことができます。WindowsのPCを使用しているなら「Zip」を、Macなら「Tar BZip2」を選ぶのがおすすめです。
↑ Macの場合「Tar GZip」を選んでもOKです。「Tar GZip」の方がファイルの容量が重くなりますが、圧縮にかかる時間が短くなります。
さらに下にスクロールして、バックアップファイルの保存方法で[フォルダーへバックアップ]にチェックを入れます。
これで、バックアップファイルは「 wp-content」内の「 uploads」の中に保存されるようになります。
ここまでできたら、一番下までスクロールして変更を保存します。
「一般」設定のうち、上で触れていない部分は初期設定のままでOKです。
4-5. スケジュール設定
次に「いつバックアップを取るか」という設定を行います。
スケジュールタブをクリックし、ジョブの開始方法で[WordPressのcron]にチェックを入れます。
バックアップを取る間隔は、毎月、毎週、毎日などから選ぶことができます。毎日だとサーバーに負担がかかってしまいますし、毎月だと少し不安です。目安としては以下のようにすると良いのではないでしょうか。
おすすめの頻度
- 週3〜4記事以上ブログを更新している場合
毎週自動バックアップ - 週1回以下のブログの更新頻度
毎月自動バックアップ
毎週にする場合には、スケジューラーの種類は「基本」に、スケジューラーは「毎週」にチェックを入れます。
時間と分は、バックアップを取る時刻です。なるべくアクセス数の少ない深夜などに設定することをおすすめします。初期設定だと、日曜日の深夜3時ですね。
ここまでできたら、一番下までスクロールして変更を保存します。
4-6. データベースのバックアップ設定
次に「DBバックアップ」タブをクリックします。
上の画像を参考にしましょう。変更するのはファイルの圧縮だけで良いかと思います。GZip(圧縮される形式)にチェックを入れましょう。
4-7. ファイルの設定
次は「ファイル」タブです。こちらは基本的に初期設定のままでOKです。
ただし、テーマのバックアップでは、使用していないテーマは除外しておくと良いかと思います。「twentyfifteen」などのWordPressのデフォルトテーマは、使っていないけど残したまま、という方も多いはず。使っていないのであれば除外しましょう。
設定を変更したら、一番下までスクロールして変更を保存します。
4-8. 設定完了!
これで自動バックアップの設定は完了です。
ちゃんと設定ができているか確認するために、サイドバーの「BackWPup」から「ジョブ」をクリックします。
以下のように表示されていればOKです。
次回の実行を見れば「次のバックアップがいつ行われるか」が分かりますね。
5. 今すぐWordPress全体のバックアップを取る方法
上記のBackWPupの設定を完了していれば、今すぐバックアップを取ることもできます。方法は簡単。登録済みの「ジョブ」にカーソルを当てて「今すぐ実行」をクリックするだけです。
バックアップが始まります。しばらく待つとジョブ完了と表示されます。
5-1. データの確認・ダウンロード
バックアップデータは、BackWPup⇒「バックアップ」から確認・ダウンロードすることができます。
以下のようにデータが表示されます。ダウンロードをクリックすると、パソコンに保存されます。
このデータの中に、「テーマ」「プラグイン」「画像」「データベース」などもろもろが含まれています。wp-configなどのWordPressの重要データも入っているので安心です。
5-2. WordPressのバージョンアップ前にはこの方法でパソコンにデータを保存
WordPressを更新する前には、この方法で全体のバックアップをパソコンに取っておくのがおすすめです。
パソコンの容量がいっぱいになって困る場合には、外付けのHDDを使うのが良いかと思います。最近ではだいぶ安く購入することができるようになりました。
というわけで、WordPressでのバックアップの取り方解説でした。せっかく作り上げたものが消えてしまわないように、面倒でもこまめにデータを残しておくようにしましょう。