
記事内に商品プロモーションが含まれる場合があります
今回はCSSのoverflowと呼ばれるプロパティの使い方をまとめて解説します。
1. CSSのoverflowとは?
overflowとはCSSのプロパティの1つで「要素のボックスからはみ出た部分をどう扱うか」を指定します。 プロパティとは?書き方は以下のようになります。
.sample { overflow: visible; }.sampleの部分はセレクタです。overflowを指定したい要素のclass名などを書きます。
overflowの主な5つの値
ここではvisible・hidden・clip・scroll・autoの主な5つを扱います。overflowには横方向と縦方向を別々に書く方法もあります。
- visible:初期値。はみ出た内容を切り取らずに表示する
- hidden:はみ出た部分を隠す。スクロールバーは出ないが、プログラムやフォーカス移動でスクロールできる
- clip:はみ出た部分を切り取り、プログラムからもスクロールさせない
- scroll:内容が収まっていてもスクロールコンテナにする。バーの見た目は環境で異なる
- auto:内容がはみ出したときにスクロールできる状態にする
いきなり値を並べられてもしっくり来ないと思うので、1つずつ解説していきます。
2. overflow: visibleでそのまま表示
overflow: visibleでは、基本的にはみ出た内容がそのまま見えます。旧画像は50px四方の例です。下の動く見本はスクロールや切り取りの違いを見やすくするため、幅120px・高さ65pxにしています。
<p class="overflow-demo">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { width: 120px; height: 65px; overflow: visible; background: skyblue; }
青色のボックスからはみ出てしまいました。上の例ではCSSでoverflow: visibleとしていますが、visibleは初期値なので、この部分が書かれていなくても同じ表示になります。
2-1. heightを指定しなければはみ出ない
さきほどの動く見本ではheight: 65pxにしました。heightを指定しなければどうなるでしょうか。
<p class="overflow-demo">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { width: 120px; overflow: visible; background: skyblue; }
この例ではheightを指定しない(auto)ため、ボックスが文章に合わせて縦に伸び、縦方向にはみ出ません。横方向の結果は折り返しの設定にもよります。
2-2. 横にはみ出てしまった文字を折り返したいときは?
さきほどの例では縦にはみ出ていましたが、横にはきちんと収まっていました。しかし、もしwhite-spaceという行の折り返しを決めるプロパティで、nowrap(自動的に改行しない)を指定していると、横にはみ出るようになります。実際にコードを書いてみます。
<p class="overflow-demo">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { white-space: nowrap; width: 120px; overflow: visible; background: skyblue; }
white-space: nowrapでは通常の折り返しをしないので、この例の文字列は右にはみ出します。通常の折り返しに戻すならwhite-space: normalです。ただし長い連続文字列などは、それだけでは収まらないこともあります。詳しくは次の記事をご覧ください。
3. overflow: hiddenで非表示に
overflow: hiddenはボックスからはみ出た部分を切り取って隠し、通常のスクロールバーを出しません。見本では文章の後半が見えなくなります。
<p class="overflow-demo">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { width: 120px; height: 65px; overflow: hidden; background: skyblue; }
hiddenでもスクロールコンテナになるため、JavaScriptや隠れた要素へのフォーカス移動でスクロールできます。プログラムからもスクロールさせたくない場合はoverflow: clipを使います。clipで重要な内容やフォーカスできる操作を隠さないようにしてください。
<p class="overflow-demo">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { width: 120px; height: 65px; overflow: clip; background: skyblue; }4. overflow: scrollでスクロールできるように
overflow: scrollを指定すると、内容が収まっていてもスクロールコンテナになります。はみ出た部分は切り取られ、スクロールして読めます。見本はクリックまたはTabキーで選び、マウス・タッチ・矢印キーでスクロールできます。スクロールバーの表示方法はOSやブラウザの設定で変わります。
<p class="overflow-demo" tabindex="0" role="region" aria-label="縦横スクロールの見本">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { width: 120px; height: 65px; overflow: scroll; background: skyblue; }
.overflow-demo:focus-visible { outline: 2px solid #333; }
このようにはみ出た部分をスクロールにより表示できます。
4-1.ブラウザごとのスクロールバー表示の違い
次の表とGIFは記事公開当時のIE・Windows・Mac・モバイル端末でのスクロールバー表示例です。現在の見た目はOSやブラウザの設定でも変わるため、固定的な比較表としては使わないでください。
| 環境 | 当時のスクロールバー表示 |
|---|---|
| IE(Windows) | ![]() |
| Mac | ![]() |
| iPhone | ![]() |
| Android | ![]() |
当時のWindowsとMac・モバイル端末では、スクロールバーの見え方が異なりました。現在も常時表示か操作時だけ表示かは環境や利用者の設定に左右されます。必要な内容をスクロール操作なしで確認できる方法も考えましょう。
4-2.横方向にスクロールできるようにする
横方向にだけスクロールさせたいときは、white-space: nowrapで行を折り返さず、overflow-x: autoを指定します。見本を左右にスクロールしてみてください。
<p class="overflow-demo" tabindex="0" role="region" aria-label="横スクロールの見本">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { box-sizing: border-box; white-space: nowrap; overflow-x: auto; overflow-y: hidden; width: 150px; height: 64px; padding: 4px 4px 14px; background: skyblue; }
.overflow-demo:focus-visible { outline: 2px solid #333; }↑横にスクロールできます。
4-3.使わないスクロールバーを非表示に
ここまでの例は、縦または横の一方向だけに内容がはみ出しています。古いスクロールバーの表示では、使わない側にもバーが見えることがありました。

この画像は当時のIE/Windowsの例で、縦横の両方にスクロールバーが表示されています。現在のOSではバーを重ねて表示したり自動で隠したりするため、同じ表示とは限りません。
overflow-xとoverflow-yの使い方
そんなときはoverflowの代わりに以下の2つのプロパティを使います。
- overflow-x:横方向にはみ出た部分の扱いを決める
- overflow-y:縦方向にはみ出た部分の扱いを決める
overflow-xとoverflow-yには同じ主な値を指定できます。ただし片方がhidden・scroll・autoなどの場合、もう片方のvisibleは算出値がautoに、clipはhiddenになります。縦横を別々に指定した結果を実画面で確かめましょう。
縦方向をスクロール可能にし、横方向のスクロールバーを隠す例です。ボックス内を上下にスクロールしてみてください。
<p class="overflow-demo" tabindex="0" role="region" aria-label="縦スクロールの見本">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { overflow-y: scroll; overflow-x: hidden; width: 150px; height: 65px; background: skyblue; }
.overflow-demo:focus-visible { outline: 2px solid #333; }
overflow-x: hiddenで横方向のスクロールバーを隠し、overflow-y: scrollで縦方向をスクロールできます。ただしhiddenもプログラムからはスクロール可能です。visibleを指定しても、この組み合わせでは算出値がautoとなり、同じ意味にはなりません。
5. overflow: autoとは?
overflow: autoは内容がはみ出したときにスクロールコンテナとなり、必要な方向のスクロールバーを表示します。scrollは内容が収まっていてもスクロールコンテナになる点が異なります。バーの見た目は環境によります。
<p class="overflow-demo" tabindex="0" role="region" aria-label="自動スクロールの見本">あいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえおあいうえお</p>.overflow-demo { width: 120px; height: 65px; overflow: auto; background: skyblue; }
.overflow-demo:focus-visible { outline: 2px solid #333; }
この例では縦方向に内容があふれるため、autoでも上下にスクロールできます。内容が収まる場合、autoのスクロールバーは不要です。
6. 最後に
このようにoverflowやoverflow-x、overflow-yによりはみ出た部分の処理を何かと指定しておくことができるわけですね。やはり環境によってある程度の差が出てしまうので、ウェブサイトを作ったときはできるだけ様々な端末、ブラウザで表示をチェックするのが良いのでしょうね。
